自動車大手の米フォードが独ケルン工場で電気自動車(EV)を生産するとの観測が浮上している。公共放送ザールレンディッシェ・ルントフンク(SR)が情報源を示さずに11月27日、報じた。同社は報道内容へのコメントを控えている。
SRによると、フォードは10億ユーロを投じてケルン工場を改築。同社初の欧州市場向けEVを生産する。提携先である独フォルクスワーゲン(VW)のEV「ID.3」と同じプラットホームを採用する。
両社は昨年、EV分野で協業することを取り決めた。フォードはVWのEV専用車台「MEB」を用いて欧州市場向けの量産車1モデルを2023年に投入する。発売後6年以内に計60万台以上を販売する意向だ。MEBをベースとするさらなるモデルの欧州投入も検討することになっている。
フォードが欧州市場向けEVをVWの車台を用いて生産する背景には、欧州連合(EU)の排ガス規制が強化されることがある。同規制を遵守するためにはEVなど電動車の販売を大幅に増やす必要があるが、フォードはEVで出遅れていることから、VWの協力を仰ぐ。