シルトロニック―台湾ウエハー大手に身売り―

半導体ウエハー大手の独シルトロニック(ミュンヘン)は11月29日、台湾同業の環球晶円(グローバルウェーハズ)に身売りする方向で進めている交渉が進展した段階にあり、近く成約する見通しだと発表した。取引が成立すると環球晶円は少なくとも世界2位メーカーに浮上する見込み。12月第2週の事業統合契約(BCA)締結を見込んでいる。

環球晶円はシルトロニックの株主に1株当たり125ユーロでの買い取りを提案する。これは過去90日間の加重平均株価を48%上回る水準で、シルトロニックの取締役会は「魅力的で妥当」と評価している。シルトロニックは環球晶円による買収の実現に先立ち、2020年度の配当(1株当たり約2ユーロ)を支払う考えだ。

シルトロニックは化学大手ワッカー・ケミーの元子会社で、2015年に新規株式公開(IPO)を果たした。ワッカーは現在保有するシルトロニック株30.8%を環球晶円に全量、譲渡する考え。

半導体ウエハー業界では日本勢が強く、信越化学工業がシェア30%で最大手となっている。シルトロニックは13%で4位。環球晶円は同社を買収するとシェアが17%から30%に拡大し、少なくともSUMCOを抜いて3位から2位に浮上する見通しだ。

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