スポーツ用品大手の独アディダス(ヘアツォーゲンアウラハ)が業績不振の米ブランド「リーボック」の売却に向けて動き出したもようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が11月27日、報じたもので、投資銀行JPモルガンに売却先候補の模索を委託したという。アディダスとJPモルガンは同紙の問い合わせに回答を控えている。
アディダスは2006年、業界最大手の米ナイキを追撃するためにリーボックを38億ドルで買収した。だが、リーボックの業績は低迷。これまでに何度もてこ入れを図ってきたが、改善していない。市場には以前から、アディダスがリーボックを手放すとの観測がある。
売却先候補としてはノースフェイスやリーなど多くの有力ブランドを抱える米VFや、サロモンやアトミックを傘下に持つフィンランドのアメアスポーツ、プライベートエクイティ、中国やシンガポールの投資家が有力視されている。売却額は買収額を大幅に下回る見通しという。