生産者物価の下げ幅6カ月連続で縮小、11月は-0.5%に

ドイツ連邦統計局が12月18日発表した11月の生産者物価指数は前年同月比0.5%減となり、10カ月連続で低下したものの、下げ幅は6カ月連続で縮小した。エネルギーの下落幅が狭まり、中間財が上昇へと転じたことが大きい。エネルギーを除いた同物価はプラス0.3%となり、2カ月連続で上昇した。

エネルギーは2.7%減となり、下げ幅は前月の同2.9%から狭まった。電力の上げ幅が0.7%から1.6%に拡大したことが大きい。天然ガスは下げ幅が前月と同じ5.2%で、石油製品は下落幅が16.0%から16.7%へと拡大した。

石油製品の下げ幅は航空機燃料が50.0%、灯油が38.2%と特に大きかった。自動車燃料も13.7%に上った。

天然ガスでは再販事業者向けが7.7%、産業向けが5.4%、発電所向けが4.7%の幅で落ち込んだ。

電力は産業施設向けが5.6%、特別契約顧客向けが0.2%上昇したのに対し、再販事業者向けは0.9%下落。取引所価格は11.4%落ち込んだ。

中間財はプラス0.2%となり、前月のマイマス0.4%から上昇へと転じた。貴金属が21.3%、金属二次原料が12.4%、銅が9.0%、飼料が7.1%の幅で上昇。紙・板紙は4.8%、化学原料は4.5%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は2.8%低下した。

非耐久消費財は0.7%減となり、下げ幅は前月の0.5%から拡大した。下落は3カ月連続。豚肉が21.5%減とこれまでに引き続き大幅に低下している。コロナ禍に伴う飲食店からの需要減と食肉加工場での集団感染発生、野生のイノシシがアフリカ豚熱に感染していることが確認されたことを受けて中国などアジア諸国がドイツ産豚肉の輸入を禁止したことが背景にある。砂糖は13.9%、コーヒーは4.4%上昇した。

耐久消費財は1.5%増、投資財は0.8%増だった。

生産者物価指数は前月比では0.2%上昇した。エネルギーが0.4%、中間財が0.3%、耐久消費財が0.1上昇。非耐久消費財は横ばいで、投資財は0.1%低下した。

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