欧州連合(EU)加盟国と欧州議会は13日、新型コロナウイルスのワクチン接種などを証明する「EUデジタルCOVID証明書」の適用期間を1年延長することで合意した。2022年6月末が期限だったが、23年6月末まで継続する。加盟国と欧州議会の承認を経て正式決定となる。
EUデジタルCOVID証明書は加盟国がワクチン接種者や検査で陰性だった人、コロナに感染して快復した人に発行するEU共通の証明書で、証明書を持つ人は入国時の検査や一定期間の隔離なしに域内を自由に移動することができる。同制度はコロナ禍での国境を越える移動の円滑化や、苦境に立つ観光業への支援を主な目的として、21年7月に正式運用が開始された。
欧州ではワクチンの追加接種が進んだことなどから行動規制緩和に踏み切る国が相次いでいるが、欧州委は新たな変異ウイルスの出現などによって再び事態が悪化した場合に備え、2月に延長を提案していた。延長に伴い、新型コロナワクチンの治験参加者に対して加盟国がCOVID証明書を発行できるようにするといった規則改正も行う。