コベストロ―利益予測引き下げ、価格転嫁しきれず―

化学大手の独コベストロは2日の決算発表で2022年12月期の営業利益(EBITDA)見通しを引き下げた。原料価格の高騰と世界経済の減速を踏まえたもので、従来予測の「20億~25億ユーロ」から「17億~22億ユーロ」へと下方修正した。温室効果ガスの排出量も「550万~600万トン」から「530万~580万トン」に引き下げている。

22年4-6月期のEBITDAは5億4,700万ユーロとなり、前年同期を33.0%下回った。調達・エネルギーコストの上昇分を顧客に部分的にしか転嫁できなかったことが響いた。純利益は55.7%減の1億9,900万ユーロへと落ち込んだ。

売上高は47億300万ユーロで、前年同期を18.9%上回った。増収の内訳は14.5ポイントが値上げ、6.5ポイントが為替差益によるもの。販売量が2.1ポイント押し下げたことから、差し引きで18.9%の増収となった。

EBITDAを部門別でみると、価格競争がし烈な汎用品を手がけるパフォーマンス・マテリアルズで減益幅が43.0%と大きかった。イノベーション度の高い製品を手がけるソリューションとスペシャリティーズでは同10.1%にとどまった。

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