バイエル―米農業テックを買収―

農業化学大手の独バイエルは1日、米農業テック、カバークレス(CCI)への出資比率を65%に拡大し、子会社化することで合意したと発表した。CCIが開発中の技術は農業の脱炭素化、窒素肥料の投入削減のほか、農家の収入増につながり将来性が高いことから、傘下に収める。

CCIの共同出資者である米食品大手バンジと石油大手シェブロンから株式を取得する。取引価格は明らかにしていない。バンジとシェブロンの出資比率は計35%に低下する。

CCIは2013年の設立。雑草であるグンバイナズナをゲノム編集し、「カバークロス」という換金作物を開発した。カバークロスは農地の表面を覆い土壌流出などを防ぐ被覆作物の一種で、窒素の流失防止や炭素の土壌貯留効果がある。

カバークロスからはバイオディーゼルを製造できることから、農家は本来の農作物であるトウモロコシ、大豆のほか、カバークロスでも収入を得ることができる。カバークロスからバイオディーゼルを製造する技術はすでに、バイエル、バンジ、シェブロンと共同開発した。近い将来、北米の農家にカバークロスの販売を開始する意向だ。

上部へスクロール