独スーパー大手レーベは7月27日、チラシ広告を全面廃止すると発表した。大量のチラシの作製は環境・気候に悪影響をもたらすことから、来年7月以降、印刷と配布を止める。独小売大手ではホームセンターのオビが6月に全廃したが、スーパーではレーベが初めて。チラシは集客力に直結する重要な広告媒体であるため、競合が追随する動きは出ていない。
レーベはこれまでチラシを週2,500万枚、作製してきた。これを全廃することで、紙消費量を年7万3,000トン強、水使用量を同110万トン、エネルギー使用量を3億8,000万キロワット時(kWh)、二酸化炭素(CO2)排出量を7万トン削減する。まずは8月から印刷部数を週400万枚、減らす計画。
チラシは客寄せ効果が最も高い広告だ。ケルン流通研究所(IFAケルン)の関係者はdpa通信に、土曜日の朝の食卓で小売店のチラシを読んで特売品を確かめる家族は多いと指摘。チラシが消費者の購買活動に与える影響はテレビやラジオなど他の広告より大きいとの見方を示した。アンケート調査ではチラシを少なくとも時々、読む人は90%に達した。毎週読む人も75%を超える。
チラシを廃止したオビに対する消費者の反応は分かれている。同社のフェイスブックサイトには称賛の投稿が多いものの、「顧客は好ましくないとオビは考えている」といった批判もある。
ディスカウントストア大手アルディ・ジュドは同通信の問い合わせに、「まさに(インフレが高進する)現在の状況下、多くの顧客は最高品質でお買い得の食品をどこで購入できるかを知るため、チラシの配達を期待している」と回答。チラシを今後も続ける意向を示した。