独パイロット労組VCは12日、ルフトハンザ航空でのストライキを来年6月30日まで見合わせることで経営陣と合意した。労使は交渉の主要な争点で速やかに合意に達するのは難しいと判断。今後およそ10カ月をかけてじっくりと協議することにした。物価が急速に上昇していることから、賃金については980ユーロ引き上げることを取り決めた。
ベースアップは2段階で実施する。まずは8月1日にさかのぼって490ユーロを引き上げ、来年4月1日に490ユーロを上乗せする。賃上げ幅は給与の低い副機長で約20%、給与の高い機長で5.5%となる。
今回の交渉は、「パースペクティブ合意(PPV)」という長年の協定を経営陣が昨年12月に破棄したことから難航している。同協定はルフトハンザとVCの協定の適用を受けるパイロットが操縦する機材の数を定めたもの。ルフトハンザのパイロット数に合わせて機材数が設定されていたことから、パイロットの雇用保障と、協定の適用を受けない格安子会社へのフライト移管を抑制する効果があった。経営陣はコロナ禍で事業環境が大幅に悪化したことからPPVを破棄した。