電池製造装置分野で独機械3社が協業、全設備を一手に供給しアジア勢に対抗

機械・設備製造の独デュル、マンツ、グロープは15日、リチウムイオン電池製造装置分野で戦略協業すると発表した。欧州電動車市場の急成長に連動して電池製造装置の需要が大幅に伸びると予想されることから、3社はそれぞれの強みを持ち寄って電池工場の全設備を一手に供給。同分野で強いアジア勢に対抗していく考えだ。3社は声明で「“メイド・イン・ヨーロッパ”の画期的な機械標準を確立したい」と強い意欲を示した。

デュルは電極塗装やセル・モジュール組立、マンツは様々なタイプのリチウムイオン電池セル・モジュール製造、グロープは特注設備の設計から設置に至る複雑な過程の管理などで強みを持つ。マンツは5月、商用車大手のダイムラー・トラックから10%の出資を受け入れるとともに、車載電池のパイロット生産ラインを供給することで合意している。

3社は車載電池の分野を主戦場とする考え。定置型蓄電池とコンシューマーエレクトロニクス分野も視野に入れている。

欧州ではフォルクスワーゲン(VW)やノースボルトなどの地元企業だけでなく、アジアや米国の企業もリチウムイオン電池工場の建設を計画中。デュルは欧州の電池セル生産能力が2030年までに現在の100ギガワット時(GWh)から800GWhに拡大すると予想している。

上部へスクロール