情報通信業界連盟(Bitkom)は2月21日、消費者アンケート調査を踏まえドイツのスマートフォン市場規模が今年は前年比1%増の386億ユーロとなり、前年に引き続き拡大するとの予測を発表した。分野別ではデータ・音声サービスが1.5%増の212億ユーロ、通信端末が1.5%増の120億ユーロ、通信インフラが2.8%増の21億ユーロに拡大。アプリは3.8%減の33億ユーロへと縮小する。アプリの売り上げは22年までコロナ禍で急拡大しており、その反動が出るという。
端末の販売台数は1%減の2140万台に落ち込む。販売減にもかかわらず売り上げが伸びるのは平均価格が前年の549ユーロから563ユーロへと上昇するためだ。Bitkomの役員はこれに絡んで、「スマートフォンは以前に比べ高価格、高性能で壊れにくくなった。消費者は自身が使う機器を長く使うため、(端末への)支出額を増やす傾向にある」と述べた。
アンケートでスマホの使用期間を質問したところ、1年未満との回答は55%となり、前年の60%から低下した。前々年は63%に上っていた。一方、2年以上使用する人は前々年の8%から前年は16%に拡大。今年は23%に上った。長く使用する人は着実に増えている。
スマホの次回購入ではディスプレーと性能を重視する人多く、「壊れにくいディスプレー」との回答は95%、「高い画質」は92%、「電池の駆動時間」は94%に達した。「メモリー容量」(89%)、「アップデートサポート期間の長さ」(87%)も重視する人が多い。
カメラ機能では「高いフロントカメラ機能」と「ズーム機能」がともに67%で最も多かった。これに「暗がりや夜間でも良い写真が撮れる」が63%、「ピクセル数」が58%、「広角撮影機能」が50%で続いた。
「スマホのない生活は考えられない」人は86%に達した。その一方で「スマホ利用が増加すると人と話す時間が減る」と考える人も76%に上っており、生活の中でスマホをバランス良く使うことが課題となっていることがうかがわれる。
スマホの利用時間は年齢が低いほど長く、16~29歳は1日当たり平均177分に上った。30~49歳は151分、50~64歳は144分、65歳以上は80分となっている。