ドイツ連邦統計局が1日発表した2022年の実質賃金は前年比3.1%減となり、3年連続で落ち込んだ。2月上旬に発表した暫定値(4.1%減)から上方修正されたものの、統計を開始した08年以降で最大の下げ幅を記録した。名目賃金は3.4%増えこれまでで最高の伸びとなったものの、インフレ率が6.9%と極めて高い水準に達したことから実質賃金が減少した。
上方修正幅が1.0ポイントと大きかったのは、消費者物価統計の基準を改めたためだ。従来の消費者物価統計では22年のインフレ率が7.9%だったが、新統計では1.0ポイント下方修正されている。
20年は操業短縮が大幅に増えたことから実質賃金が減少した。これに対し21年と22年は高インフレが原因となり実質賃金が目減りした。
22年第4四半期の実質賃金も前年同期比で3.7%縮小した。インフレ率が8.6%に達したのに対し、名目賃金の伸びは4.7%にとどまったことから、大幅な実質減となった。就労者に一律300ユーロのエネルギー手当を国が支給したことは実質賃金の落ち込みをやや緩和した。