ドイツ取引所―投資管理ソフト会社を買収―

フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は4月27日、デンマークの投資管理ソフトウエア企業シムコープを買収することで合意したと発表した。乱高下する金融市場の影響を受けにくい分野で事業を強化する考え。既存事業とシムコープを統合しシナジー効果を引き出す。

株式公開買い付け(TOB)を通してシムコープを買収する。1株当たりの買い取り価格は735デンマーク・クローネ。これは前日終値を38.9%、過去3カ月間の加重平均株価を45.3%上回る水準で、シムコープを39億ユーロと評価している。ドイツ取引所にとってはこれまでで最大の買収となる。第3四半期の取引完了を見込んでいる。

シムコープは資産運用会社など金融サービス企業向けの投資管理ソフトや関連する技術サービスを提供している。独貯蓄銀行系の証券会社デカバンクや、アリアンツの資産運用子会社アリアンツ・グローバル・インベスターズは同社のモジュール型ソフト「シムコープ・ディメンジョン」を採用する。

ドイツ取引所は買収手続きの完了後、シムコープと自社のデータ・インデックス・プラットホーム「コンティゴ」、2021年に買収した米投資情報サービス会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)を新設する「投資管理ソリューション部門」に統合。データ、インデックス、分析ソリューションの主導的な事業者となる意向だ。統合後3年で年9,000万ユーロのシナジー効果(営業利益=EBITDAベース)を見込む。シナジーの内訳はコスト面が5,500万ユーロ、売上増が3,500万ユーロ。投資管理ソリューション部門の新規株式公開(IPO)を中期的な選択肢の1つとしている。

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