インフィニオン―中国企業からSiCウエハー調達へ―

半導体大手の独インフィニオンは3日、SiC(炭化ケイ素)半導体の製造に用いるウエハーとブール(ウエハーを切り出す前の円柱形の人造結晶原石)を中国の北京天科合達藍光半導体(タンケブルー)から長期調達することで合意したと発表した。需要の大幅増が見込まれるSiC半導体の製造・販売能力を拡大するとともに、SiCウエハーなどの調達先を多様化してサプライチェーンの安定化を図る。

アンジェリーク・ヴァン・デル・ブルグ最高調達責任者(CPO)は、「顧客に可能な限り幅広い製品パレットを提供できるようにするためインフィニオンは現在、SiC技術とSiC製品ポートフォリオへの投資を倍増している。わが社はこの関連で、広範囲の顧客に役立つようレジリエンスの強化を目指し、調達先のサプライヤーと国を複数化する戦略を推進している」と述べた。

タンケブルーからはまず、150ミリのSiCウエハーとブールを調達する。将来的には200ミリ製品の供給も受ける。

インフィニオンはオーストリアのフィルラハ工場でSiC半導体を製造している。2024年からはマレーシアのクリム工場でも生産を開始し、27年までに生産能力を10倍に拡大する計画だ。30年の世界市場シェアで30%を獲得することを目指している。

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