ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した4月の乗用車新車登録台数は前年同月比12.6%増の20万2,947台となり、3カ月連続で拡大した。サプライチェーンのひっ迫緩和で受注残の消化が加速したことが大きい。比較対象の2022年4月はロシアのウクライナ侵攻による生産低迷が追い打ちをかけ約22%落ち込んでおり、その反動で伸びたという事情もある。コロナ禍前の19年4月(31万715台)に比べると35%少ない。1~4月も前年同期比7.9%増の86万9,765台に拡大したものの、19年同期(119万807台)に比べると27%低い水準だ。
4月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は34.1%増の2万9,740台へと拡大した。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)は4.7%増の5万9,468台に拡大したものの、PHVは補助金打ち切りの影響で45.7%減の1万1,787台と大きく落ち込んだ。純粋な内燃機関車はガソリン車が17.7%増の7万6,519台、ディーゼル車が2.4%増の3万6,138台だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の12.3%から14.7%へと拡大した。HVは31.5%から29.3%へと低下。PHVは12.0%から5.8%へと大きく落ち込んだ。ガソリン車は1.6ポイント増の37.7%、ディーゼル車は1.8ポイント減の17.8%だった。BEVとPHVの合計のシェアは20.5%、BEVとHVは同44.0%に上った。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は123.3グラムで、前年同月を0.7%上回った。新車登録に占めるガソリン車の割合が高まりPHVが低下したことが響いたもようだ。
新車登録を部門別でみると、伸び率が最も大きかったのは大型バンで、41.6%に上った。中型車(33.0%)、中大型車(29.7%)も好調だった。
シェアでは1位のSUVが27.9%から28.5%に拡大。2位のコンパクトカーも14.3%から15.4%に伸びた。3位の小型車は14.1%から12.0%に落ち込んだ。
伸び率が最も大きかったブランドはテスラで、272.3%増の2,420台を記録した。ロータス(184.6%増の37台)、ロールスロイス(176.9%増の36台)、アルファロメオ(163.0%増の576台)も3ケタ台の伸びとなった。
ドイツ車はフォード(18.6%減の8,159台)を除いてすべて増加した。MANが78.7%増の227台、ミニが67.9%増の3,645台、ポルシェが32.3%増の2,768台、メルセデスが27.4%増の2万990台、アウディが24.5%増の1万7,788台、VWが23.7%増の3万6,940台、オペルが21.9%増の1万1,652台、スマートが18.5%増の1,560台、BMWが4.4%増の1万7,262台となっている。
日本車ではマツダが35.3%増の2,821台、スズキが34.7%増の1,119台、レクサスが30.3%増の262台と2ケタ台の伸びを記録。スバル(0.6%増の327台)もわずかながら増加した。その他のブランドは日産が10.1%減の2,063台、トヨタが18.3%減の5,268台、ホンダが59.7%減の290台、三菱が61.0%減の1,400台だった。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ダチア(54.4%増の4,471台)、セアト(52.6%増の1万182台)、シュコダ(32.5%増の1万1,990台)、ボルボ(18.5%増の3,004台 )、プジョー(12.1%増の3,379台)、現代(7.9%増の7,904台)は増加。起亜(10.2%減の6,181台)、ルノー(13.9%減の4,639台)、シトロエン(16.4%減の2,884台)、フィアット(20.5%減の5,081台)は落ち込んだ。
中国勢はGWM(長城汽車)が101台、BYD(比亜迪汽車)が47台、NIO(蔚来汽車)が25台、AIWAYS(愛馳)が0台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した4月の国内乗用車生産台数は32万1,000台となり、前年同月を24%上回った。輸出台数も38%増えて24万6,200台となった。1~4月の累計は生産台数が前年同期比35%増の146万2,100台、輸出台数が36%増の107万5,400台だった。