ハンブルク港への中国社の出資、政府がようやく承認

ドイツ政府は10日、ハンブルク港トラーオルト・コンテナター埠頭(CTT)に海運大手の中国遠洋海運集団(COSCO)が出資する計画を承認すると発表した。COSCOはCTTに24.99%出資し、「優先ハブ」として利用できるようになる。政府は昨年10月、当初計画より出資比率を引き下げることを条件に、承認することを決定していたが、CTTがその後、重要インフラに指定されたことから、所管省庁である経済・気候省(BMWK)の審査手続きが長期化。これまでは承認されない可能性もあると目されていた。

COSCOは2021年9月、CTTに35%の戦略出資をすることでハンブルク港運営会社HHLAと合意した。独連邦カルテル庁は出資計画を承認したものの、政府・与党内では強権化する中国に対して批判的な緑の党と自由民主党(FDP)が承認に強く反対。これに対しオーラフ・ショルツ首相(社会民主党=SPD)が認可支持の姿勢を打ち出したことから、政府は22年10月、COSCOの出資を25%未満の純投資に制限するなどの条件付きで取引を承認することを決定した。

HHLAとCOSCOはこれらの条件を踏まえて再交渉し、新たな契約を締結。12月30日に書類をBMWKに提出した。

だが、連邦情報技術セキュリティ庁(BSI)がCTTを「BSI法上の重要インフラ規定に関する政令(BSI-KritisV)」上の重要インフラに指定したことから、BMWKは同政令に基づく審査を新たに実施しなければならなくなった。これが認可手続きの長期化につながっていた。

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