自動車部品大手の独ボッシュは10日、レーシングカーの設計・製造を手がける仏リジェ・オートモーティブと戦略パートナーシップを締結したと発表した。水素エンジン搭載の高性能車両を共同開発。6月に開催されるル・マン24時間レースでデモカーを公開する予定だ。
リジェのモデル「JS2 R」をベースに「JS2 RH2」というモデルを開発する。軽量で強度の高いカーボンを用いたモノコックを採用。水素タンク3個を統合する。6気筒ガソリンエンジンの改造品を搭載する。
ボッシュはエンジン、水素タンク、水素安全コンセプトを含む車両コンセプト全体を担当。リジェはアーキテクチャー、水素システムの車両への統合、冷却を引き受ける。
ボッシュのシステム開発子会社であるボッシュ・エンジニアリングのヨハネスイェルク・リューガー社長は、「わが社は技術サービス事業者として、あらゆる技術に対してオープンであり、気候中立なモビリティの実現に向け様々な技術的な選択肢を並行して追求し、全世界の各顧客に最適のソリューションを開発することを義務と考えている」と述べた。将来の車両に複雑な水素技術のノウハウを活用することを視野に入れている。