起亜自動車のドイツ法人(Kia Deutschland)のマーティン・ヴァン・ヴュット(Martin van Vugt)社長はこのほど、独業界紙『オートモビルボッヘ』の取材に対し、ドイツの新車市場で10万台を達成する目標を当初目標の2016年より1年早い2015年にも達成できるとの見通しを明らかにした。
\ドイツ連邦統計局(KBA)の統計によると、起亜の2011年の通期販売は4万2,065台だった。10万台の目標を達成するためには2倍以上に増やさなければならない。
\ヴァン・ビュット社長は『オートモビルボッヘ』紙に対し、目標を達成するためには特に法人顧客の拡大が重要であると説明している。顧客法人の割合は現在、17~20%にとどまるが、これを25~30%に引き上げる必要があるとの見解を示した。特に新型「シード」では法人顧客を獲得できるチャンスがあると見込んでいる。法人顧客の分野ではシュコダをベンチマークにしていることも明らかにした。
\ \■ 現代の欧州技術センター、小型エンジンやDCTの開発に注力
\ \現代自動車の欧州技術センター(HMETC)のパワートレイン開発を担当するユルゲン・グリム氏はこのほど、独業界誌『オートモービルインダストリー』(電子版)に掲載されたインタビュー記事の中で、現代と起亜の差異化や欧州市場向けのエンジンや変速機などについて語った。グリム氏は現代と起亜の両ブランドのエンジン開発を担当している。
\グリム氏によると、ハードウエアは現代と起亜の両ブランドで共通化して開発し、後からブランドやモデル戦略によって車台や操舵システムの快適性やスポーツ性を強調するなどして差異化を図っているという。
\ドイツのリュッセルスハイムにある技術センターでは、気筒容量が1.0~1.6リットルの小型ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの開発に重点を置いており、大型エンジンの開発は韓国や米国が主導しているという。欧州では今後、4気筒のツインターボディーゼルエンジンの開発を検討しているという。
\変速機については、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)のラインアップを拡充する見通しを示した。グリム氏によると、現行の乾式6速DCTはトルク275Nmまで対応しており、現代の「ヴェロスター」に続いて、起亜「シード」にも導入する方針という。さらに、7速DCTの市場投入も視野に入れているとした。欧州市場ではギアの変速が分かるようなDCTが好まれる傾向が強いと説明し、アメリカやアジア市場で快適性が重視されるのとは好対照であると指摘している。
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