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2014/3/7

総合 – 自動車産業ニュース

欧州裁がスペイン燃料税に違法判決、財政赤字削減計画に影響も

この記事の要約

欧州司法裁判所は2月27日、スペイン政府が財政悪化に直面する自治州の医療保険制度を維持するため、燃料税を導入して保険料の財源に充てたのはEU法に違反するとの判決を言い渡した。政府は一定の範囲で消費者や企業からの返還請求に […]

欧州司法裁判所は2月27日、スペイン政府が財政悪化に直面する自治州の医療保険制度を維持するため、燃料税を導入して保険料の財源に充てたのはEU法に違反するとの判決を言い渡した。政府は一定の範囲で消費者や企業からの返還請求に応じなければならないため、財政赤字削減計画に影響が及ぶ可能性もある。

スペイン政府は2002年1月、ガソリン、軽油、重油、灯油を対象に燃料税を導入。税収は11年末までに約13億ユーロに上り、これが各自治州の医療保険制度の財源に充てられた。

欧州裁は判決で、スペインの燃料税は環境保護や地球温暖化防止といった正当な目的のために導入されたものではないと指摘し、06年に制定された「付加価値税の共通システムに関する指令(VAT指令)」に違反すると結論づけた。

これについて、スペインのモントーロ財務相は「燃料税は欧州委員会との協議を経て導入したものだ」と反論。そのうえで、一定の範囲内で返還要求に応じる意向を示し、財政への影響については現時点では「不明」と答えた。スペイン政府は財政赤字を14年は国内総生産(GDP)比5.8%、15年は同4.2%に削減し、16年には3%以下に抑える目標を掲げている。

燃料税の返還を求める際は領収書などを提示しなければならないため、実質的に政府が税収を全額返還する事態は免れる見通し。ただ、多くの企業には記録が残っているため、相当額の返還義務が生じるのは必至だ。訴えを起こした運送業者トラスポルテ・ホルディ・ベソラによると、同社は05~08年に4万5,000ユーロ超の燃料税を納めたとしており、全額返還を求める方針を示している。

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