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2010/11/10

バルト三国

インフレ加速、景気への影響に懸念=エストニア

この記事の要約

エストニア統計局が5日発表した10月の消費者物価上昇率(インフレ率)は前年同月に比べ4.7%上昇し、2008年12月以来の高水準となった。4%となった前月の数値を上回るもので、同国中央銀行は、景気回復にブレーキがかかる可 […]

エストニア統計局が5日発表した10月の消費者物価上昇率(インフレ率)は前年同月に比べ4.7%上昇し、2008年12月以来の高水準となった。4%となった前月の数値を上回るもので、同国中央銀行は、景気回復にブレーキがかかる可能性を指摘している。

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ノルディア銀行では、「食品及びエネルギーの価格上昇が主因だが、国内需要の回復と賃金上昇でインフレ圧力が高まっていることも事実」と分析。ただ、欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標値である2%弱から大きく逸脱することはないと予測している。

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食品及び非アルコール飲料の価格は前月比で2%、前年同月比で8.9%の大幅な上昇を示した。なかでも、野菜と乳製品が前年同月比でそれぞれ36.8%、20.7%と高騰した。エストニアでは、パン製造業界団体が8月に10~20%の値上げを予告し、大手小売店が9月に牛乳価格をいっせいに25%引き上げた。これを受けて、検察庁と競争当局が価格カルテル捜査に乗り出している。

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エストニア経済は今年第2四半期、2008年以来で初めて前年同期比の成長率がプラスに転じた。国内需要は不調だったが、輸出が急激に伸びて経済をけん引した。

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