ハンガリー政府は6月25日、インペリアルタバコなど、たばこ大手3社が卸専売免許取得に向けて提出した提案を却下した。これら3社は、政府が入札なしで免許付与を発表したことを不服として24日、免許取得に向けた独自提案を共同で行っていた。3社の提示額は免許を取得した企業連合の10倍にも上り、政府判断に不透明感が募っている。
ハンガリー議会は昨年12月、たばこ流通関連法案を可決した。メーカーと小売店の間の流通を手掛ける卸業者を1社に制限し、小売店にこの業者との取引を義務付ける内容で、政府は当初、公共入札を通じて免許を付与すると説明していた。しかし、先月中旬に突然、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)とタバーン・トラフィックから成る企業連合に期間20年の免許を付与すると発表した。
インペリアルタバコとJTI、フィリップモリスの3社は、この手続きが欧州法に違反するとの見方を明確にしたうえで、事業計画や免許料を含む免許取得提案を共同で行った。政府は提案が「法的要件を満たしていない」ほか、すでに「免許付与先は決定済み」として却下した。
しかし、現地証券ポータルサイトの「ポートフォリオ」の分析によると、BAT・タバーン連合が支払う免許料は20年間で89億1,000万フォリント。これに対して3社連合の提示額は890億フォリントとその10倍にも上っており、政府の判断が恣意的だったのではとの疑惑が浮上している。