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2015/9/2

ロシア

ロスネフチ増益、原油安の影響をルーブル安が吸収

この記事の要約

ロシア石油最大手で国営のロスネフチが8月31日発表した2015年4-6月期の純利益は1,340億ルーブル(25億米ドル)となり、前期の560億ルーブルの1.4倍に急増した。原油安の影響を受けているものの、通貨安でドル建て […]

ロシア石油最大手で国営のロスネフチが8月31日発表した2015年4-6月期の純利益は1,340億ルーブル(25億米ドル)となり、前期の560億ルーブルの1.4倍に急増した。原油安の影響を受けているものの、通貨安でドル建ての販売収入とルーブル建ての経費の相対的な差が広がり、利ざやが増えたためだ。原油輸出税の引き下げも利益を押し上げた。

4-6月期売上高は前期比1.9%増の1兆3,120億ルーブル(252億ドル)、営業利益(EBITDA)は同17.4%増の3,110億ルーブル(63億ドル)に上昇した。前年同期比では売上高は9.4%減少、営業利益は2.3%増加した。

ただ、同社の現行の生産を支える油田はソ連時代からの古いもので、将来的な生産量維持・増加には新油田開発が避けられない。開発に必要な資金・技術は欧米による制裁で調達が難しくなっている。仮に開発が実現しても、巨額投資で経費が拡大することには変わりなく、原油安の影響をルーブル安で吸収するのにも限度があるとみられる。

一方、ドル建てで決算を発表しているルクオイルは4-6月期の売上高が前期比21%増の281億ドルに増加した。営業利益は56.2%増の16億ドル、純利益は45.8%増の10億ドルに改善した。前年同期比では、売上高が36%、営業利益が82%、利益が58%、それぞれ減少した。ルクオイルは来年から決算をルーブル建てに切り替えることを決定している。

ガスプロムの石油子会社であるガスプロムネフチは4-6月期の純利益が前期比87.1%増の732億ルーブルに拡大した。売上高は11.4%増の4,232億ルーブル、営業利益は17%増の948億ルーブルだった。前年同期比では、売上高が1.4%、営業利益が8.8%、純利益が47.1%、それぞれ増加した。(1RUB=1.84JPY)