2020/6/10

ロシア

ロシア、改憲を問う国民投票を7月1日に実施

この記事の要約

ロシアで憲法改正の是非を問う国民投票が7月1日に実施されることが決まった。過半数が賛成票を投じれば、プーチン大統領が最長で2036年まで続投するための法的基盤が整う。当初4月22日の実施を予定していたが、新型コロナウイル […]

ロシアで憲法改正の是非を問う国民投票が7月1日に実施されることが決まった。過半数が賛成票を投じれば、プーチン大統領が最長で2036年まで続投するための法的基盤が整う。当初4月22日の実施を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期していた。

ロシア憲法は大統領任期を連続2期までに制限している。改正案でもこの規定が残っているが、過去の任期を計算に入れないとすることで、プーチン大統領の再出馬を合憲化する形だ。改憲が実現すれば、現任期が満了する2024年から、改めて2期12年を務めることが法的に可能となる。

投票日決定の根拠について、政府は「全体として感染状況が落ち着き、(最も流行が激しい)モスクワでも新規感染が激減している」と説明した。それでも、ロシアの新規感染者数はここ数日9,000人前後で推移しており、反政府活動家のリュボフ・ソボル氏などは「時期尚早」と厳しく批判している。

政府はコロナ危機による景気後退が進むと支持率の低下が避けられないため、国民投票の早期実施を目指してきた。延期されたモスクワ戦勝パレードの開催日(6月24日)と間をおかずに実施することで、国民意識を鼓舞し、政府支持者の投票意欲を高めようという意図があるとみられる。

独立系世論調査機関レヴァダセンターによると、憲法改正に賛成する人は44%、反対の人は32%。しかし、投票を予定する人に限ると賛成派が55%。また、棄権する予定の人に限ると反対派が58%とやはり過半数を占める。

ロシア世論調査センターの調べでは、「投票に行くつもり」と答えた人は61%に上る。実際の投票率はレヴァダセンター、世論調査センターとも66%前後と予測している。