●負極材料となるCMC製品「サンローズMAC」の供給体制を強化
●ハンガリーと日本の2拠点体制で増大する需要に対応
日本製紙は6日、ハンガリーのブダペストに電気自動車(EV)用リチウムイオン電池(LiB)材料の製造・販売会社を設立したと発表した。LiBの負極材料となるCMC(カルボキシメチルセルロース)製品「サンローズ(SUNROSE)MAC」の供給体制を強化し、増大する需要に対応する。
新会社名は「ニッポンペーパーケミカルズ・ヨーロッパ」。資本金は1,000万ユーロで、日本製紙の完全子会社とする。
CMCは天然セルロースを精製したパルプから得られるもので、環境性能に優れる。従来は主に日用品や製紙用途で使われていたが、近年、LiB用途も大きく伸びている。同社のサンローズMACは負極材料のグラファイトに塗布する液体の添加剤として用いられ、均一な塗工膜の形成が可能で安全性にも優れることから幅広い分野でLiBメーカーに採用されている。
欧州ではEV用電池市場の急速な拡大を受けサプライチェーン構築の動きが活発化しており、中国や韓国の自動車部品・LiBメーカーも現地工場の建設計画を相次いで発表している。日本製紙はこうした動向を踏まえ、ハンガリーと日本の2拠点体制で高性能なLiB用CMC製品を生産・供給していく。