環境

EIBが21年末で化石燃料事業への新規融資停止、東欧諸国の反対で1年延期

欧州投資銀行(EIB)は14日、化石燃料に関連したプロジェクトへの新規融資を2021年末で停止すると発表した。

石炭や石油など化石燃料に依存する事業を融資対象から外すことでエネルギー転換を促し、温室効果ガスの削減を加速させるのが狙い。

EIBのホイヤー総裁は「現代社会において気候変動は最優先の政治課題だ。EIBは長年にわたり、欧州の気候変動対策銀行(Climate Bank)として活動してきたが、さらに大きな一歩を踏み出すことを決めた。2年後には化石燃料に関連する事業への新規融資を停止し、世界の金融機関の中で最も野心的な投資戦略を実行する」と述べた。

独ランクセス、カーボンニュートラルを40年までに実現へ

ランクセスは04年の設立から18年までに温室効果ガスの排出量を650万CO2換算量(CO2e)から320万CO2eに半減させた。

23年にはさらなる分解装置を設置し、削減を45万CO2eにと引き上げる。

これらの措置により温室効果ガスの排出量を25年までに80万CO2e引き下げる。

仏ルノーの使用済みEVバッテリー、ボート用電池に再利用

仏自動車大手のルノーは5日、同社の電気自動車(EV)で使用したリチウムイオン電池を再利用する電気駆動ボート「ブラックスワン」について発表した。

河川船舶メーカーのセーヌ・アライアンス(パリ)と共同開発したもので、パリ市内を流れるセーヌ川で2020年1-3月期に就航する予定。

バッテリーはルノーのEVから取り出したものを再整備し、ボートの側面ベンチシートの下部に収容する。

ボルボ・トラックス、都市用途に適した電気トラックを開発

スウェーデンの商用車大手ボルボ・グループのトラック部門、ボルボ・トラックスは6日、都市部での運用に適した電気トラックを欧州市場に投入すると発表した。

電気駆動ならではの静音性や環境性能を活かし、都市部で増大する持続可能な物流ソリューションの要求に応える。

ボルボ・トラックスは同電気トラックをヨーテボリに拠点を置く顧客の協力を得て開発した。

アルセロールミタル、伊イルバ買収を撤回

鉄鋼世界最大手のアルセロールミタル(ルクセンブルク)は4日、伊鉄鋼大手イルバを買収する計画を撤回すると発表した。

アルセロールミタルは伊製鉄会社マルチェガリア、大手銀行インテサ・サンパオロとコンソーシアム(企業連合)を結成し、18億ユーロで買収することで18年に合意していた。

一方、伊政府内ではアルセロールミタルの決定について、免責取り消しは表向きの理由で、イルバが現在も多額の赤字を出していることが主因と反発する声が出ており、政府は再考を求めて協議を進める方針だ。

BMW―第3四半期の営業益33%増加―

高級車大手の独BMW(ミュンヘン)が6日発表した2019年第3四半期(7~9月)決算の営業利益(EBIT)は前年同期比32.9%増の22億8,900万ユーロと大幅に拡大した。

主力の乗用車部門ではEBITが62.9%増の15億1,500万ユーロに拡大した。

売上高は9.0%増の230億1,600万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の4.4%から6.6%へと上昇した。

シーメンス―9月通期の営業益は微増―

電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)が7日発表した2019年9月通期決算の産業分野の営業利益(EBITA、調整済み)は前期比1%増の89億8,600万ユーロとわずかな伸びにとどまった。

産業分野の売上高は4%増の826億3,500万ユーロで、売上高営業利益率は前期の11.1%から10.9%へと低下した。

第4四半期は好調で、産業分野の営業利益(EBITA、調整済み)は前年同期比20%増の26億4,100万ユーロへと拡大した。

日本ガイシ―次世代NAS電池研究でBASFと協業―

日本ガイシは7日、次世代ナトリウム硫黄電池(NAS電池)を化学大手の独BASFと共同研究することで合意したと発表した。

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池。

大容量、高エネルギー密度、長寿命を特徴としているため、短時間・高出力を特徴とするリチウムイオン電池など他の蓄電池に比べて、長時間にわたり高出力の電力を安定して供給する定置用蓄電池に適している。

ゾンネン―電動車リース事業に参入―

一般世帯のソーラー発電を利用した仮想発電所を運営する独ゾンネン(ヴォルトポルツリート)は7日、電動車のリース事業に参入すると発表した。

同社はソーラー発電機と蓄電池をレンタルする新商品「ゾンネン・ナウ」も市場投入する。

蓄電池を製造・販売するほか、独自開発のソフトウエアを用いて◇太陽光発電システムと蓄電池をともに持つ世帯をネットワーク化する◇過剰な電力を持つ世帯から電力が不足する世帯に電力を融通する――「ゾンネンコミュニティ」という名のネットワークを運営している。

風力発電機の解体が21年から本格化、ブレードのリサイクなどに課題

ドイツ連邦環境庁(UBA)はこのほど公表したレポートで、風力発電機の解体、撤去、リサイクルに伴う課題を指摘した。

同国では2021年から風力発電機の処分が本格化すると予想されることから、問題点を事前に指摘して、国(連邦)や州に対応を促す考えだ。

一方、FRPで作られているブレードは解体量が年最大7万トンと相対的に少ないものの、FRPの処理施設は国内に1カ所しかなく、風力発電機の解体の本格化に伴い廃ブレードが大量に発生すると処理しきれないのが現状だ。

樹脂製レジ袋が全面禁止に

レジ袋として用いられる厚さ0.05ミリ未満の樹脂袋を流通事業者が提供することを全面禁止することが柱。

樹脂製のレジ袋などは自然分解されにくく、適切に廃棄処理されないと海洋生物が誤食したり、土壌・水質汚染を引き起こす。

17年は35%減の24億枚となり、EU目標を達成した。

アルセロールミタル、伊イルバ買収を撤回

鉄鋼世界最大手のアルセロールミタル(ルクセンブルク)は4日、伊鉄鋼大手イルバを買収する計画を撤回すると発表した。伊政府がイルバの粉じん問題への免責を取り消したためで、イルバ救済が宙に浮くことになる。 イルバは伊南部ターラ

日本ガイシとBASF、次世代NAS電池研究で提携

日本ガイシは7日、化学大手の独BASFと次世代ナトリウム硫黄電池(NAS電池)を共同研究することで合意したと発表した。BASFとは日本ガイシ製の大容量電力貯蔵システム「NAS電池」の販売提携契約を6月に締結したばかり。今

ツァランド―カーボンニュートラル実現へ―

ファッション分野の独ネット通販大手ツァランド(ベルリン)は10月30日、カーボンニュートラルの実現に取り組む方針を発表した。持続可能性を重視する消費者が急速に増えていることに対応する。ルービン・リッター共同最高経営責任者

政府が環境国債の発行を計画、CO2排出削減に向け

ドイツ政府が環境国債(グリーンボンド)の発行を計画している。オーラフ・ショルツ財務相(社会民主党=SPD)が『南ドイツ新聞』に明らかにしたもので、来年の発行を予定している。同国初の環境国債となる。 グリーンボンドは調達資

フォルクスワーゲン―中国で電動車攻勢、25年に100万台へ―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は10月31日、中国市場における主力ブランドVW乗用車の電動車販売目標を打ち出した。同国では環境規制が強化され車両の一定割合以上を電気自動車(EV)などの新エネル

独印が戦略パートナーシップ、米中をにらみ

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は1~2日の2日間、インドを公式訪問し、両国の第5回合同閣議を共同開催した。自由や人権といった価値を欧州と共有しない中国が台頭するなかで、中国にほぼ匹敵する人口を持つインドと協力関係をこれま

乗用車新車登録が10月も反動増

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した10月の乗用車新車登録台数は前年同月比12.7%増の28万4,593台となり、2カ月連続で大きく拡大した。

シェアは前年同月1.3%から1.7%へと上昇した。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した10月の国内乗用車生産台数は40万5,400台で、前年同月を5%下回った。

再可エネの仏イデックス、独ダンパワーのリトアニア事業買収完了

再可エネ市場の大手に成長する目的で、「イデックス・バルチック」に改称して事業を展開する。

ダンパワーから株式50%を、リトアニアの投資会社ゲコ(Geco)から40%を取得し、残りの10%はゲコが継続保有する。

昨年にはカウナス熱電併給施設に関連し、エネルギー省と12年間の固定料金(フィードインタリフ)契約を結んだ。

カザフスタン、2025年までに再可エネ能力3倍に

カザフスタン首相府はこのほど、同国の再生可能エネルギーによる発電容量が現在の約900メガワットから2025年までに3,000メガワットまで増加する見通しであることを明らかにした。

首相府の発表によると、国内には現在83の再可エネ関連施設がある。

同国が先ごろ実施した3,000メガワットの再可エネ関連プロジェクトへの入札には海外12カ国から138の企業が参加した。

ZFウインド・パワー

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは25日、風力発電設備子会社ZFウインド・パワーが中国同業の遠景能源(エンビジョン・エナジー)と協業合意したと発表した。

ブランド、技術、市場でそれぞれの強みを持ち寄り、価格競争力のある製品を共同開発・販売する。

ダイムラー―トラック・バスでゼロエミッション実現へ―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は25日、主要市場の欧州、日本、北米(NAFTA)で販売するトラックとバスを今後20年で二酸化炭素(CO2)を全く排出しないゼロエミッション車へと全面的に切り替える方針を明らかにした。

同社は温暖化対策に注力しており、5月には乗用車部門メルセデスベンツ・カーズでもCO2の排出量を差し引きでゼロにする「カーボンニュートラル」を2039年までに実現するとの目標を打ち出した。

トラックとバスでゼロエミッションを実現するために同社はまず22年までに、欧州、日本、北米市場で電気トラック、バスの量産車を発売。

再生エネの比率、過去最高の43%に

石炭・褐炭の発電量は前年同期の1,711億kWhから約1,250億kWhへと27%減少した。

CO2排出量が石炭・褐炭に比べて少ない天然ガス発電は11%増の660億kWhへと拡大した。

再生エネのなかで発電量が最も大きかったのは陸上風力発電で、前年同期の614億kWhから17%増えて約720億kWhとなった。

暖房設置受注のキャンセル急増、政府の暖房刷新支援方針で

ドイツの暖房設置事業者の業界団体であるZVSHKは29日、加盟企業で受注のキャンセルが急増していることを明らかにした。

キャンセル件数は平均2件としていることから、合わせて約1万6,000件に上る計算だ。

ZVSHKはこれを踏まえ、助成法案施行前に顧客が発注した暖房にも助成措置を適用するよう政府に要求している。

EUの中央アジア環境プロジェクト、第3段階スタート

欧州連合(EU)はこのほど、水・環境・気象変動に関する中央アジア諸国との連携プロジェクト(WECOOP)の第3段階に着手した。

WECOOPは環境・水資源分野での共通プラットフォームや環境・気象変動の作業グループ(WGECC)を支援する。

共通プラットフォームの優先課題は、2009年にローマで開催された第3回EU中央アジア高官会議で合意された後、13、15年に再確認された。

ネオニコチノイド系農薬の認可更新せず、来年5月以降は使用禁止に

欧州連合(EU)加盟国は22日、ミツバチの大量死や大量失踪の主な原因とされるネオニコチノイド系の農薬のうち、新たにチアクロプリドの使用を禁止することで合意した。

チアクロプリドを有効成分とする独バイエルの殺虫剤について、認可期間を延長すべきではないとする欧州委員会の見解を加盟国が支持した形。

これを受けて欧州委はバイエルの殺虫剤に対する認可を更新せず、認可期間が終了する来年5月以降は使用禁止とすることを加盟国に勧告していた。

エストニア国営輸送、ラトビア企業とLNG燃料の機関車開発で協力

エストニアの国営輸送会社オペレイル(Operail)がラトビアのエンジニアリング会社ディガス(DiGas)と液化天然ガス(LNG)燃料の貨物鉄道車両の開発で協力する。

オペレイルが改装するのは米ゼネラルエレクトリック(GE)製のディーゼル機関車「C36」で、容量1万7,000リットルの燃料タンクをディーゼル油用とLNG用に分割したうえで新しい駆動システムを装備する。

オペレイルのトオムサル社長は「LNGタンクとシステムを後付けする方法なら、車両をイチから製造するより安価に収まる」との見方を示した。

ダイムラー、トラック・バスでゼロエミッション実現へ

自動車大手の独ダイムラーは25日、主要市場の欧州、日本、北米(NAFTA)で販売するトラックとバスの全車両を今後20年で二酸化炭素(CO2)を全く排出しないゼロエミッション車に切り替えると発表した。

同社は温暖化対策に注力しており、5月には乗用車部門メルセデスベンツ・カーズでもCO2の排出量を差し引きでゼロにする「カーボンニュートラル」を2039年までに実現するという目標を打ち出していた。

トラックとバスでゼロエミッションを実現するため、まず22年までに欧州、日本、北米市場で電気トラック、バスの量産車を発売。

仏PSA、20年から小型バンでも電動モデルを拡充

仏自動車大手のPSAは17日、グループの全ブランドの小型バンについて2020年から電気自動車(EV)モデルを投入していく計画を明らかにした。

3モデルとも車台にエフィシエント・モジュラー・プラットフォーム2(EMP2)を採用する。

PSAは2025年までに全車種において電動モデルを導入する目標を掲げており、今年から発売する全ての新型モデルにEVまたはプラグインハイブリッド車(PHV)を設定している。

スカニアの次世代路線バス、環境対応性能が向上

同7リットルエンジンは燃費効率が3~5%向上しており、専用設計のギアとの組み合わせでさらに1~3%向上する。

さらに、予測機能付きクルーズコントロールシステム(CCAP)や選択触媒還元(SCR)システムなどを装備し、運行性能を向上させた。

スカニアは次世代バスの運用に際し、地図上に仮想的な柵(バーチェル・フェンス)を設けるジオフェンシング技術を活用して運行状況を常時把握したり、「柵」の内側に当たるゾーンにおける速度や排ガス、騒音などの規制を遵守できるようにしている。

フォードの充電用アプリ「フォード・パス」、来年から運用開始

米自動車大手フォードの独法人フォード・ヴェルケは17日、電動車の充電作業を一貫して行えるアプリ「フォード・パス」の運用を来年から開始すると発表した。

併せてコネクテッド機能の付いた家庭用充電器(ウォールボックス)「フォード・コネクテッド・ウォールボックス」も市場投入し、「フォード・パス」と連携して機能させる。

フォードが来年発表する予定の完全電気駆動のSUVモデルは、イオニティの出力150kWの充電スタンドを利用した場合、10分の充電時間で航続距離93キロメートルを確保できるという。

仏タイヤ大手ミシュラン、電気バス用の新製品を発表

仏タイヤ大手のミシュランは今月23日までブリュッセルで開催されたバスの国際見本市「バスワールド」で、電気バスに最適な新製品「X Incity Energy Z」を出展した。

軸荷重をこれまでの7.5トンから8トンに引き上げ、増大する電気バスの車体重量に対応する。

骨格層(カーカス)を特殊ケーブルで強化しているほか、接地面と側面は市街地走行に最適な設計となっており、転がり抵抗と騒音を低減している。

センヴィオン―シーメンス子会社への事業売却で合意―

ルクセンブルクに本社を置くドイツ系風力発電設備大手センヴィオンは21日、欧州で展開する陸上風力発電のメンテナンス事業と、ポルトガルのブレード工場をシーメンスの子会社である同業のシーメンス・ガメサに売却することで合意したと発表した。

同社はインド事業や欧州域外のサービス事業も売却する意向で、現在、売却先を模索している。

売却のメドが立たない事業は清算する。

生産者物価が約3年来のマイナスに

エネルギーの下げ幅は前月の0.3%から1.9%へと拡大した。

非耐久消費財は1.8%増となり、上げ幅は前月の1.7%からやや拡大した。

生産者物価指数は前月比では0.1%増となり、2カ月ぶりに拡大した。

プラスチック再利用の時代へ

これにリサイクルされた3,000万トンを加えた3億9,000万トンが加工されている。

リサイクル比率を引き上げるためには非回収部分を減らすとともに、◇再利用しやすい材料を使用する◇リサイクル技術を向上させる――ことがカギを握る。

同再生原料は廃プラを熱化学処理で熱分解油に転換して製造したもの。

スマートシティ独1位はハンブルク

「社会」と「エネルギーと環境」の2分野では1位を獲得した。

ハンブルクは総合評価で79.5点を獲得した。

5位のミュンヘンは公衆無線LANなどデジタルインフラの充実が高く評価された。

EnBW―独最大のメガソーラー建設へ、助成金を受給せず―

再生可能エネルギー向けの助成金を受けずに運営する考えで、ハンスヨーゼフ・ツィンマー取締役(技術担当)は「このように大規模なソーラーパークであれば助成金なしでも経済的に運営できると確信している」と強調した。

「ヴェーソヴ・ヴィルマースドルフ」と命名された同メガソーラーは太陽光発電モジュール46万5,000個で構成される。

同社が助成金を受けないのは、ソーラー発電の費用がこの10年間で80%以上、低下したためだ。

ヘンケル―リサイクル技術のスタートアップに出資―

アルミニウムや樹脂を重ね合わせた複合材料の包装材をリサイクルする技術の産業化を支援する。

分離された素材はリサイクルされ再び使用することができる。

ヘンケルは同社と協業し、サペラテックの技術にマッチした接着剤を開発した。

交通・暖房分野で国内排出権取引導入へ、フライト税は大幅引き上げ

ドイツ政府は16日の閣議で、建造物と交通部門を対象に導入する同国独自の二酸化炭素(CO2)排出権取引制度の大枠を承認した。

同制度は化石燃料を販売する際にCO2の排出権の購入を販売事業者に義務づけるというもので、21年にスタートする。

これにより排出権価格が上昇し、灯油やガソリンの需要が減少すると政府はみている。

COP25に向けた温効ガス削減目標の引き上げ見送り、首脳会議で協議できず

加盟国は12月の首脳会議で改めて主要議題として取り上げ、温室効果ガス削減目標の見直しを含めた長期戦略をまとめる方針で一致した。

EUは2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減するとの目標を掲げているが、欧州議会や多くの加盟国はより野心的な削減目標の設定を求めている。

就任の承認を得るため7月に欧州議会で行った演説では、50年までに欧州の温室ガス排出量を実質ゼロの「カーボンニュートラル」にするとの目標を掲げたうえで、欧州投資銀行(EIB)を通じて今後10年間に1兆ユーロを温暖化対策に投じる意向を表明している。

独政府、交通分野などで独自の排出権取引導入へ

ドイツ政府は16日の閣議で、建造物と交通部門を対象に導入する同国独自の二酸化炭素(CO2)排出権取引制度の大枠を承認した。

EUはETS対象分野の域内CO2排出量を30年までに05年比で43%削減する計画だ。

これにより排出権価格が上昇し、灯油やガソリンの需要が減少すると政府はみている。

EnBW、独最大のメガソーラー建設へ

再生可能エネルギー向けの助成金を受けずに運営する方針で、ハンスヨーゼフ・ツィンマー取締役(技術担当)は「このように大規模なソーラーパークであれば助成金なしでも経済的に運営できると確信している」と強調した。

「ヴェーソヴ・ヴィルマースドルフ」と命名された同メガソーラーは太陽光発電モジュール46万5,000個で構成される。

同社が助成金を受けないのは、ソーラー発電の費用がこの10年間で80%以上、低下したためだ。

商用車大手スカニア、空港用特殊車両の低炭素化を推進

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のスウェーデン商用車大手スカニアは8日、環境対応型の空港用特殊車両のラインアップを拡充すると発表した。

ケータリングカーや消防車、レスキュー車両などの低炭素化を通して持続可能型の空港環境を実現するのが狙い。

同社はまた、化学消防車などの緊急車両には、欧州連合(EU)の最新の排ガス規制「ユーロ6」の第5ステージに対応した「DC16 315」V型8気筒エンジン(最高出力710PS)を搭載する。

BMW―大型モデルの販売倍増へ、利益率引き上げに向け―

乗用車部門の売上高営業利益率(EBITベース)で目標レンジの8~10%を達成できるようにする考えだ。

ペーター取締役は、大型高級車市場は成長すると述べたうえで、「我々は市場平均を上回る伸びを実現する」と強調した。

同社は利益率を引き上げるために120億ユーロ規模のコスト削減プログラムを実施する。

セルビアで大型風力発電所が稼働

出力は同国の風力発電所として最大の158メガワット(MW)で、11万3,000世帯に電力を供給する。

チブク第1発電所はベオグラードの北西50キロメートルに位置する。

マスダールのアッラマヒ(Alramahi)社長は、「チブク第1発電所はセルビアの再可エネ開発推進・発電業界近代化への決意を示すばかりでなく、同国のエネルギー供給安定化にも貢献する」と意義を強調した。

使用済みポリカーボネートから電子材料再生=コベストロ

化学大手の独コベストロは11日、使用済みのポリカーボネート(PC)から電子機器向けの材料を再生するプロジェクトを他社と共同で実施すると発表した。

同コンセプトは(1)コベストロが飲料ボトルメーカーにPCを供給する(2)同メーカーがPCボトルを飲料水メーカーに供給する(3)飲料水の最終消費者から供給ルートをさかのぼる形でボトルを回収する(4)回収したボトルを粉砕して洗浄する(5)粉砕されたボトルの品質をチェックしたうえでPCを顆粒化し、他の物質と混ぜてブレンド体を製造する――というもの。

コベストロはこのほか、使用済みPETボトルとポリカーボネートのブレンド体を製造するプロジェクトも実施する。

再可エネ助成分担金3年ぶり上昇、風力発電の札割れ響く

独連邦ネットワーク庁は15日、再生可能エネルギー電力向けの助成分担金が今年の1キロワット時(kWh)当たり6.405セントから来年は6.756セントへと5.5%上昇すると発表した。

これまでは再生エネの買い取り価格を入札で決めるルールの導入が奏功し2年連続で低下していたが、最近は陸上風力発電設備の助成金割り当て入札で札割れが起こり、助成金支出が膨らみ始めていることから、来年の分担金が引き上げられることになった。

助成金は電力料金に上乗せされるため、最終的に消費者や企業が消費量に応じて分担する。

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