化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は23日、皮革化学事業を蘭同業スタールグループに売却することで合意したと発表した。取引金額は明らかにしていないものの、BASFはスタールに16%出資。仏投資大手ウェンデルグループ、スイス化学大手クラリアントに続く3社目の出資者となる。取引は独禁審査を経て第4四半期(10~12月)に成立する見通しという。
BASFの皮革事業はシンガポールに統括拠点を置く。雇用規模は210人で、そのうち110人がアジアで勤務している。
スタールはBASFの同事業をスペインのロスピタレートにある工場を含めて取得。売上高を8億5,000万ユーロ、営業利益(EBITDA)を2億ユーロ強へと拡大する(2016年実績ベース)。
BASFは09年、皮革・繊維化学品事業からの撤退方針を表明したものの、同事業の価値に見合った買収額を提示する投資家がなかったため、11年になって方針を転換。ひとまず手元にとどめることを決めた。