ドイツ環境・リサイクリング産業の動き

ArcelorMittal:アルセロールミタル―世界初の水素DRIプラント設置へ―

ルクセンブルクに本社を置く鉄鋼大手アルセロールミタルは16日、還元材に100%水素を用いる直接還元鉄(DRI)デモプラントの設計を神戸製鋼の米子会社ミドレックス・テクノロジーズに委託したと発表した。

水素を還元材とする工業規模のDRIプラントは世界で初めてという。

アルセロールミタルが水素ベースのDRIプラント導入を目指すのはこれを踏まえたもので、シャルル・ドマール副社長(技術戦略担当)は、水素を還元材とするDRIプラントのプロジェクトは同社が現在、取り組んでいる他のプロジェクトと組み合わせることでEUのカーボンニュートラル目標実現に大きく寄与すると強調した。

除草剤グリホサートを24年以降禁止へ

ドイツ政府は4日の閣議で、除草剤グリホサートの使用を禁止する法案を了承した。

まずは2020年から使用を大幅に制限し、24年以降は全面禁止とする。

政府は昆虫を保護して種の多様性を守るための予算を年1億ユーロ上乗せする方針も決めた。

Karstadt:カールシュタット・カウフホーフ―樹脂製レジ袋全廃へ―

同社は声明で、在庫が来年上半期になくなり次第、樹脂製レジ袋の提供を停止することを明らかにした。

デパートや衣料品店では樹脂製レジ袋の全廃が難しいと目されてきた。

樹脂製のレジ袋には雨の日でも購入した服が濡れず、販売減を緩和するというメリットがあるものの、同社は全廃に踏み切る。

針葉樹林から混合樹林へ転換、温暖化対策で農相が表明

ドイツのユリア・クレックナー農相は8月29日、国内の針葉樹林を針葉樹と広葉樹からなる混合樹林(針広混合樹林)へと転換していく方針を表明した。

地球温暖化の影響で死滅する森林が急増しているためで、温暖化に対応できる混合樹林を増やすことで森の減少による二酸化炭素(CO2)排出量の増加を防ぐ狙いだ。

トウヒは根が浅いことから、雨が少ないと十分な量の水分を確保できず、立ち枯れしたり、キクイムシの被害を受けたりしやすくなる。

鉱工業の設備投資、1割が環境分野に

ドイツの鉱工業(建設を除く)の2017年の環境設備投資額は84億100万ユーロに上り、同業界の設備投資総額に占める割合は10.1%に上った。

環境設備投資の割合が最も高かった部門は排水処理で、全体の42.7%を占めた。

環境設備投資額は前年比で1.0%減少した。

Huawei:ハンガリー政府、華為技と学術交流提携

ハンガリー政府は1日、情報・電気通信(ICT)業界の発展に向けて、中国の電気通信設備大手・華為技術(ファーウェイ)と学術提携の具体化で合意した。2018年11月の基本合意に沿うものだ。安全保障面の懸念から華為技との提携に

Aldi:量り売り袋も有料に、小売大手アルディが今夏から

独ディスカウントスーパー大手のアルディ・ズードとアルディ・ノルトは11日、量り売り野菜・果物用の包装材を今夏から有料にする計画を発表した。小売店が顧客に無料で提供する樹脂袋が深刻な海洋汚染を引き起こしていることを踏まえた

アウルビス―リサイクル企業を買収―

精銅大手の独アウルビス(ハンブルク)は22日、非鉄金属のリサイクルを手がけるベルギー、スペイン系の企業メタロ・グループを投資ファンドから買収することで合意したと発表した。リサイクル分野のポートフォリオ拡充を通して事業を拡

六フッ化硫黄の調達量が大幅減少

温室効果が最も高い六フッ化硫黄(SF6)の使用量がドイツで大幅に減少しているもようだ。連邦統計局によると、同国内で活動する企業などが2018年に調達したSF6の総量は786トンとなり、2年前の16年に比べて31%減少した

ハンガリー石油大手MOL、独再生プラメーカーを買収

ハンガリーの石油・ガス最大手MOLはこのほど、独再生プラスチックメーカーのオーロラを買収すると発表した。オーロラはバーデン・ヴュルテンベルク州に拠点を構え、工業用プラスチックやポリプロピレン樹脂のリサイクル製品を生産して

NOx許容濃度超過地点、昨年は39%に低下

ドイツ連邦環境庁(UBA)は1月31日、国内の都市に設置した大気観測設備のうち欧州連合(EU)の窒素酸化物(NOx)基準を順守できなかったのは昨年、およそ39%(暫定値)だったと発表した。前年の45%から約6ポイント低下

2038年までの石炭発電廃止を諮問委が答申

石炭火力発電の廃止に向けた政府の諮問委員会(石炭委員会)は26日、最終答申書を21時間に及ぶ審議の末にまとめ上げた。石炭発電を遅くとも2038年までに全廃することを提言しており、ドイツは原子力と石炭発電を世界で初めてとも

カザフスタンで大規模太陽光発電所が稼働

カザフスタンで23日、単独プロジェクトとして中央アジアで過去最大規模のソーラー発電所が稼働した。カザフスタン政府の再生可能エネルギー開発政策および外国企業の投資を呼び込む経済外交政策に沿うものだ。総投資額は1億3,700

プラごみ削減に向け世界の企業が協働、独からBASFなど参加

世界の石油・化学企業およそ30社は16日、プラスチックごみの削減に向けた非営利団体「プラスチック廃棄物を除去するためのアライアンス(AEPW)」を立ち上げた。適切に廃棄処理されない樹脂製包装材などが海洋汚染などの深刻な環

三菱商事―独社の炭素繊維再資源化子会社に出資―

三菱商事は14日、独リサイクリング大手ELGハニエルから、炭素繊維の再資源化を手がける英子会社ELGカーボン・ファイバー(ECF)の株式25%を取得することで合意したと発表した。取引金額は明らかにしていない。規制当局の承

レモンディス―包装材リサイクルのDSDを買収―

独廃棄物処理市場の最大手レモンディス(リューネン)は9月27日、包装材のリサイクル(デュアルシステム)で独最大手のデュアレス・ジステーム・ドイチュラント(DSD)を投資会社などから完全買収することで合意したと発表した。法

東芝プラントシステム―原発廃炉で独社と技術協力へ―

東芝プラントシステムは9月26日、原子炉解体で実績を持つ独シームペルカンプNISインジェニエールゲゼルシャフト(NIS)と技術協力の基本合意を締結したと発表した。日本国内の原子力発電所の廃炉作業で協業する。 今回の基本合

ベフェサ―電炉ダストのリサイクル施設を中国に建設―

金属スクラップ産業向けに環境サービスを提供する独ベフェサ(ラーティンゲン)は9月24日、中国の常州に電炉ダストのリサイクル施設を建設すると発表した。同国が環境保護を強化していることから、十分な量の需要を確保できると判断し

排ガスからの化学品生産がスタート

独鉄鋼大手ティッセンクルップは20日、製鉄所の排ガスから有用な化学品を生産する同社主導の技術開発プロジェクトで、メタノールの生産を開始したと発表した。鉄工所の排ガスを有用な化学物質へと転換するのは世界初で、世界各地からの

ハンガリーMOL、独リサイクル企業と提携

ハンガリーの石油・ガス最大手MOLは先ごろ、ドイツのリサイクル会社APKと戦略提携すると発表した。APKが建設するリサイクル工場の完成に向け協力する他、中東欧地域でのリサイクル事業への共同参入を予定する。APKの新工場は

小売業界に使い捨てプラ製品排除の動き

使い捨てプラスチック製品の販売から撤退する動きが、ドイツの小売業界で出てきた。プラスチックごみの排出削減に向けた欧州連合(EU)の取り組みに呼応した措置で、業界大手レーベ・グループは樹脂製の使い捨てストローの販売を年内で

シュヴァルツ・グルッペ―廃棄物処理大手を買収―

ディスカウントスーパーのリドルなどを傘下に持つ小売大手シュヴァルツ・グルッペが独廃棄物処理5位のテンスマイヤーを買収する。テンスマイヤーが3日、明らかにしたもので、シュヴァルツは廃棄物処理市場に本格参入することになる。

BASF―排ガスリサイクル技術の新興企業に出資―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は13日、排ガスから有用物質を取り出す技術を手がける米国の新興企業ランザテックにベンチャー投資子会社BASFベンチャーキャピタルを通して出資すると発表した。出資比率と出資額

デュル―工場排ガス処理分野で買収―

機械大手の独デュル(ビーティヒハイム・ビッシンゲン)は6日、米同業バブコック・アンド・ウィルコックス(B&W)から工場排ガス処理事業を買収することで合意したと発表した。環境設備事業を強化する考え。デュルは売り上

樹脂レジ袋の使用量が2年連続大幅減

ドイツの樹脂製レジ袋消費量が昨年は24億枚となり、前年比で35%減少したことが、包装材市場調査会社GVMの調べで分かった。樹脂製レジ袋の削減に向けた連邦環境省と独小売業中央連盟(HDE)の協定が奏功した格好。消費量は一昨

ゴミの排出量が増加、建設・解体が全体の54%に

ドイツ連邦統計局が1日発表した2016年の国内ごみ排出量は4億1,150万トン(暫定値)で、前年を2.3%上回った。全体の54%を占める建設・解体ゴミが6.6%増えたことが響いた。 ゴミ排出量の80.7%に当たる3億3,

エコジー―包装ゴミから石油精製―

再生可能エネルギーやエネルギー効率改善の分野でコンセプト開発に取り組む独新興企業エコジーが、樹脂包装ごみからガソリンや軽油を精製するプラントを建設する。ゴミとして捨てられる包装材を有効活用する考え。マンフレート・ファルツ

シーメンスの風力発電設備、6千人削減へ

独シーメンスの風力発電設備子会社シーメンス・ガメサは19日、全従業員の4分の1に当たる6,000人を整理すると発表した。風力発電施設への助成金を削減する動きが世界的に広がり、同社の業績を圧迫しているためで、来年11月まで

レジ袋有料化が奏功、消費者の8割がマイバック持参

買い物袋(マイバック)持参で買い物に行く消費者の割合が80.4%に上ることが、独包装研究所(dvi)の委託で市場調査機関tnsインフラテストが実施したアンケート調査で分かった。大半の小売店がレジ袋を有料化したことが効果を

NOx削減資金を都市に迅速提供へ、メルケル首相が確約

ドイツのメルケル首相は11月28日、大気汚染が深刻な国内の約40都市の市長らと会談し、人体に有害な窒素酸化物(NOx)の削減資金を速やかに提供することを約束した。これらの都市はディーゼル車の走行禁止を来年2月に最高裁判所

ドイツの樹脂包装材ゴミ、10年で30%増加

財界系シンクタンクIWドイツ経済研究所は22日、ドイツで発生する樹脂包装材ゴミの量が2005年から15年の10年間で29%増加したことを明らかにした。欧州連合(EU)平均の同12%を大幅に上回っており、15年の住民1人当

旭化成―低炭素社会実現へ、欧州プロジェクトに参画―

旭化成は14日、低炭素社会の実現に向けた欧州の実証プロジェクトに参画すると発表した。再生可能エネルギー電力を用いて水素を低コスト・高効率に製造するアルカリ水電解システムを、独デュッセルドルフにある欧州統括会社、旭化成ヨー

温暖化防止分野の売上が環境保護全体の57%に

ドイツの温暖化防止製品・建設・サービス市場規模は2015年時点で379億ユーロに上り、環境保護分野全体(660億ユーロ)の57.4%を占めたことが、連邦統計局の発表で分かった。そのうち198億ユーロをエネルギー効率の改善

青果用樹脂袋廃止へ、小売大手レーベが包装材削減を加速

独食品スーパー2位のレーベ(REWE)は10月24日、野菜・果物用樹脂袋の廃止に向けた試験プロジェクトを実施すると発表した。同社はすでに、樹脂製レジ袋の販売を停止しており、樹脂製包装材の削減に向けた取り組みを今後さらに拡

製造業のエネルギー効率、独は主要国3位

財界系シンクタンクIW経済研究所は17日、主要国の製造・建設業のエネルギー効率統計を発表した。それによると、ドイツは1,000ユーロの価値創出に要するエネルギー消費量(石油換算)が76キログラムで、デンマーク(同48キロ

廃家電は宝の山、細菌で金銀をリサイクル

細菌を用いて廃家電から金や銀などの貴金属を効率よく取り出す技術を、バイオ企業の独ブレインが開発した。今後はライセンス供与と自らリサイクリングした貴金属の販売を通して利益を稼ぐ考えだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が

ビルフィンガー―英原発の廃棄物処理設備など受注―

産業サービス大手の独ビルフィンガー(マンハイム)は22日、放射性廃棄物分野で計2件の受注を獲得したと発表した。1つは英ヒンクリー・ポイントC原子力発電所向け、もう1つはスウェーデンのオスカーシャム原子力発電所の使用済み核

温暖化ガス排出量3年ぶりに増加、昨年は9億600万トンに

連邦環境庁(UBA)の発表によると、ドイツの温暖化ガス排出量は昨年、二酸化炭素(CO2)換算で9億600万トン(暫定値)となり、前年を400万トン(0.4%)上回った。増加は3年ぶり。交通セクターで540万トン(3.4%

青果にレーザーマーキング、包装材削減に向けプロジェクト

商品情報やロゴをプラスティック製などの包装材に明記する代わりにレーザーで青果の皮に直接焼き付けるパイロットプロジェクトを、小売大手のレーベグループが実施する。包装材の使用量を削減することが狙い。同社は昨年、プラスティック

独プロコン、ポーランド風力発電の拡大中止

ドイツの再生可能エネルギー協同組合プロコンがポーランドにおける風力発電事業の拡大を中止する。組合幹部のフォン・シュテホウ氏が先ごろ、経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』に対し明らかにしたもので、同国の補助金削減を受け採算が取

CO2排出削減計画を政府が了承

ドイツ政府は14日、連邦環境省主導で策定した二酸化炭素(CO2)排出削減計画を承認した。同計画は昨年パリで開催された国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の取り決め(パリ協定)を受けたもので、エネルギーや

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