2012/8/20

欧州ビジネスウオッチ

ハイネケン、APB買収で最終合意

この記事の要約

欧州ビール大手のハイネケン(オランダ)は17日、シンガポール同業アジア・パシフィック・ブリュワリーズ(APB)の買収で最終合意したと発表した。タイ企業が対抗して買収に乗り出したのを受けて、買収額を当初の51億シンガポール […]

欧州ビール大手のハイネケン(オランダ)は17日、シンガポール同業アジア・パシフィック・ブリュワリーズ(APB)の買収で最終合意したと発表した。タイ企業が対抗して買収に乗り出したのを受けて、買収額を当初の51億シンガポールドルから54億シンガポールドル(約35億ユーロ)に引き上げ、改めて同意を得た。

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APBは「タイガービール」「アンカー」「ビンタン」などのブランドで知られる。ハイネケンは現在、APBに9.5%を直接出資しているほか、シンガポール飲料大手フレーザー・アンド・ニーブ(F&N)との合弁会社を通じて株式32.4%を保有している。

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新興市場での事業拡大を目指すハイネケンは7月、F&Nが合弁会社を通じて持つ株式39.7%を50シンガポールドルで取得し、持ち株比率を81.6%まで高めることを提案。8月初めにF&Nの合意を取りつけた。しかし、その後にタイのビールメーカー、タイ・ビバレッジグループがF&Nに対する出資比率を24%から26.4%に引き上げて同社への影響力を強めると同時に、F&Nが直接保有するAPB株式7.3%を1株55シンガポールドルで取得することを提案し、買収阻止に乗り出していた。

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これに対してハイネケンは、買収額を1株当たり53シンガポールに増額。これをF&N経営陣が受け入れ、APB買収が決まった。F&N側は、120日以内に株式売買が成立しない場合、ハイネケンに違約金5,600万シンガポールドルを支払うことにも同意した。

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