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2010/11/10

チェコ・スロバキア

チェコ、太陽光発電への補助縮小へ

この記事の要約

チェコ上院は3日、太陽光発電に対する補助制度を縮小する法案を可決した。太陽光発電ブームによる電気料金の上昇に歯止めをかけ、消費者負担の増大を抑制するのが狙い。大統領の署名を経て来年から施行される。\ チェコでは手厚い補助 […]

チェコ上院は3日、太陽光発電に対する補助制度を縮小する法案を可決した。太陽光発電ブームによる電気料金の上昇に歯止めをかけ、消費者負担の増大を抑制するのが狙い。大統領の署名を経て来年から施行される。

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チェコでは手厚い補助制度を背景に太陽光発電が急成長しており、設置容量は2007年末の3.4メガワット(MW)から2009年6月末には80MWに拡大、ドイツ、イタリアに次ぐ欧州3位に浮上した。ただ、太陽光発電の増加に伴い政府の負担も増大しており、産業貿易省のまとめによると、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの補助負担金支出は昨年の30億8,000万コルナから今年は77億6,000万コルナに上る見込み。この増加分は最終的に電気料金の引き上げという形で消費者に転嫁されるため、エネルギー規制局の試算では、来年の電気料金は12%上昇する見通しだ。

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今回上院で可決された法案は、2011年3月以降に設置される新規の太陽光発電設備に対する補助について、建物の屋根や壁に設置される発電容量が30キロワット以下のものに限定し、農地などに設置するものは対象外とする内容。ただし、11年3月以前に設置された設備については、現行の補助制度が適用される。

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マルチン・コツォウレク産業貿易相は、改正法の施行により、11年までに700MW相当の太陽光発電設備の建設が抑制され、78億コルナの支出節減につながるとしている。

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政府はこのほか電力料金の上昇を抑制するため、太陽光発電への26%課税やカーボンクレジットへの課税を検討している。(1CZK=4.58JPY)

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