●処理能力は従来より3億多い29億立方メートルに拡大
●隣国スロベニアは同ターミナルを通したガス輸入を希望
クロアチアで液化天然ガス(LNG)ターミナルを運営するLNGクロアチアはこのほど、アドリア海のクルク島にある洋上LNGターミナルの年間処理能力をこれまでの26億立方メートルから29億立方メートルに引き上げる方針を明らかにした。1時間当たりでは33万8,000立方メートルの処理量に相当する。同社は今後、空きがある2022年-23年度とその翌年度の気化受託契約の他、今年5月1日から今年度末までの短期契約を結んでいく予定。
同国のプレンコビッチ首相は3月、ロシアへのエネルギー依存度の低下を図る欧州連合(EU)の目標に合わせLNGターミナルの気化能力を12%増やす意向を示していた。隣国のスロベニアは今月初め、同ターミナルを通した天然ガスの輸入を今年10月中に開始できるよう求めている。
LNGクロアチアはまた、LNG船からタンクローリーへの積み替えを行う新しいサービスを導入しており、利用者は月々40スロット分を予約することができる。
クルク島のLNGターミナルは昨年1月に稼働を開始した。同ターミナルは国内の導管網を通じ、スロバキア、イタリア、ハンガリーのほか非EU加盟国のセルビアやモンテネグロの導管網と接続されている。