欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/6/15

西欧

英HSBCが大型リストラ、最大5万人削減へ

この記事の要約

英金融大手のHSBCホールディングスは9日、大規模な合理化計画を発表した。為替取引の不正操作の発覚や英国の金融規制強化などで事業環境が厳しくなっていることを受けたもので、支店と投資銀行部門の縮小、海外2カ国の事業の売却に […]

英金融大手のHSBCホールディングスは9日、大規模な合理化計画を発表した。為替取引の不正操作の発覚や英国の金融規制強化などで事業環境が厳しくなっていることを受けたもので、支店と投資銀行部門の縮小、海外2カ国の事業の売却によって2017年末までに人員を最大5万人削減する。

HSBCは全世界で展開する5,800支店の12%を閉鎖する。英国など主要7カ国・地域が対象となる。また、トルコ、ブラジルの事業を売却する。

人員削減は全従業員の約2割に相当する規模。うち2万5,000人はトルコ、ブラジル事業の閉鎖によって削減する。英国での削減は7,000~8,000人に上る見通しだ。HSBCは一連の合理化によって、17年までに年最大50億米ドルのコスト節減を目指す。

スチュアート・ガリバー最高経営責任者(CEO)は、今後は大きな成長が見込める中国などアジア事業に軸足を移す意向を表明。とくに工業化が急速に進む中国南部の珠江デルタ地帯での事業に経営資源を集中していく方針を示した。

HSBCは4月、英の金融規制強化を受けて、本社を英ロンドンから国外に移転することを検討すると発表していた。これについてガリバーCEOは、年内に結論を出す予定であることを明らかにした。市場では1993年まで本社を置いていた香港が移転の有力候補地との見方が出ている。