英国のオズボーン財務相は10日、金融危機を受けて国有化した大手銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の政府保有株の売却に着手すると発表した。保有する株式80%を段階的に売却する。第1弾は数カ月以内に実施する予定だ。
英政府は金融危機で経営難に陥ったRBSに対して、2008年から09年にかけて総額455億ポンド(約620億ユーロ)の公的資金を注入して救済した。
RBSの株価は低迷しており、政府が保有する株式の10日時点の時価総額は約327億ポンドにとどまっている。この状況で株式を売却すると損失が生じるが、オズボーン財務相は「売却を待てば待つほど、経済全体の負担が増す」と述べ、売却を進める意向を表明。また、株式売却を開始し、浮動株が増えれば株価が上昇する可能性もあるとしている。