2012/8/20

CIS諸国

ウズベキスタン、農機生産に9,500万米ドル

この記事の要約

ウズベキスタンが農業機械の生産に力を入れる。先ごろカリモフ大統領が承認した5カ年計画によると、2016年までに合計64件、総額9,500万米ドルのプロジェクトを実施し、国内需要に応える。耕作・蒔種・収穫機のほか、家畜飼育 […]

ウズベキスタンが農業機械の生産に力を入れる。先ごろカリモフ大統領が承認した5カ年計画によると、2016年までに合計64件、総額9,500万米ドルのプロジェクトを実施し、国内需要に応える。耕作・蒔種・収穫機のほか、家畜飼育用設備を対象とし、プロジェクト参加企業には5年間の法人税・資産税免除などの税制優遇措置を適用する。

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ウズベキスタンの農業機械販売台数は年間1万~1万5,000台で、さらに1,500台前後が輸入されている。ただ、購入に対する融資の不足や、政府による経済・貿易統制で販売が抑止されている側面があり、実際の需要はずっと大きいとみられている。

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現地で製品を組立・生産するには政府の承認が不可欠だ。しかし、これをクリアし、部品を現地調達すれば外資が出資する現地企業は強力な支援を受けられる。輸入を抑え、外貨の節約につながるためだ。

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国内最大手はタシケント・トラクター工場(TTZ)で、主に81PSのトラクターとトレーラーを生産する。生産能力はトラクターが1万2,000台、トレーラーが1万3,300台だが、生産規模はそれぞれ2,300台、1,600台にとどまっている。ソ連のトラクター工場としてトラクター3万台、トレーラー3万5,000台を出荷していた往時の栄光は見る影もない。

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他の農機メーカー同様、販売の大半は国が助成するリース契約による。出資構成は国が82.8%、従業員が3.5%、その他が13.7%となっている。

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政府の5カ年計画でTTZは主要な位置を占める。2014~15年までに4件、総額5,500万ドルのプロジェクトが実施される予定だ。このうち最も規模の大きいのはユニバーサル・トラクター生産で3,400万ドルが振り向けられる。残る2,000万ドルは、ホイールトラクター生産(年1,000台)、庭園整備用の特殊ホイールトラクター生産(600台)、コンバイン生産(300台)の3プロジェクトに充てる。2016年までにトラクターを合計1万8,470台(うち100PS以下が1万3,870台)生産する予定だ。

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TTZはこのほか、ミンスク・トラクター工場と綿花農家向けトラクターの分野で提携中。ロシアのアグロマシュ・ホールディングとはフルクローラトラクターの組立プロジェクトを共同推進している。独クヴェルネラントとは積載能力6~8トンのトレーラー生産プロジェクトで協力している。

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また、ドイツ系のクラース・セントラル・アジア・インベストメントとは2010年に合弁工場ウズ・クラース・アグロ(UCA)を設けた。コンバイン、ベーラーおよび150馬力超のトラクターを生産している。今年は合計650台の農機生産を計画する。来年には部品の現地調達比率が最大50%に拡大する見通し。

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