トルコと英国の自由貿易協定(FTA)交渉が順調に進んでいる。トルコで7月28日に開かれた9回目の協定案に関する技術協議に参加した在イスタンブール英国総領事館のスレーター総領事は、同協定が年内に締結するとの見通しを明らかにした。
英国が今年1月末にEUを離脱してから、両国はFTA交渉を加速させている。7月初めにはトルコのチャヴシュオール外務相がロンドンを複数回訪問し、協定案の話し合いが最終段階に入ったもようだ。ただ、トルコがEUの関税同盟に加盟しているため、両国のFTAが発効するのは英国とEUがFTAを締結した後となる。
トルコにとって英国はドイツに次いで第2位の貿易相手国で、取引品目の比率は工業製品が95%、残りの5%を農産物とサービスが占める。年間貿易規模は188億ポンドで、今後さらに取引を拡大して200億ポンドを目指す。石油のBPとシェル、移動体通信のボーダフォン、消費財のユニリーバ、航空・防衛のBAEシステムズ、銀行大手HSBCなどがトルコに事業進出している。