2020年3月18日

機械業界が今年の生産予測を-5%に引き下げ

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は12日、独業界の今年の生産高が前年比5%減になるとして、従来予測の2%減から下方修正した。

新型コロナウイルスの流行で経済環境が一段と悪化したため。

カールマルティン・ヴェルカー会長は、下半期に状況が改善したとしても今年は新型コロナに起因する落ち込みを相殺できないと明言した。

K+S―南北アメリカ塩事業を売却へ―

肥料大手の独K+S(カッセル)は11日の決算発表で、南北アメリカの塩事業を売却する方針を明らかにした。

同社は2006年にチリのSPL、09年に米国のモートン・ソルトをそれぞれ買収し南北アメリカ塩事業を構築した。

これに伴い30億ユーロを投資したことから、債務が膨らんだ。

デンカ―ノロワクチンなどの開発に向け独で用地獲得―

デンカは12日、完全子会社の独アイコン・ジェネティクスが同国東部のハレで用地を取得する契約に締結したと発表した。

これらの研究開発の進展に伴い施設の増強が必要となったことから、ハレの「ヴァインベルク・キャンパス」技術団地に約5万平方メートルの用地を取得した。

研究開発や製造の中核拠点となる施設を建設する。

MAN―従業員の6分の1を削減か―

独商用車大手トレイトンの子会社MANは従業員6,000人を削減することを計画しているもようだ。

社内ネット情報として各種メディアが報じたもので、全従業員(3万6,000人)を整理することになる。

同社は従業員代表との交渉を理由に具体的な数値を伏せているものの大規模な人員削減になる見通しを明らかにした。

企業の資金繰り支援に上限設けず、新型コロナ対策で

ドイツ政府は13日、新型コロナウイルスの流行で大きな影響を受ける企業の支援策を発表した。

政府は受注の急減などに直面した企業の雇用を守るために操短手当の支給基準を年末まで緩和する時限法案を10日に了承した。

融資支援の総額には上限を設けないとしており、新型コロナの直撃を受けたために手元の資金が枯渇して倒産する企業の発生を防止する意向だ。

華為が欧州特許申請1位に、けん引車は5GとAI

欧州特許庁(EPO)は12日、2019年の特許出願件数が前年比4%増の18万1,000件となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。

デジタル通信分野では中国企業の申請が64.6%増と急拡大した。

中国からの出願が18.7%、米国からが同13.6%拡大した。

食料品が2月の物価を押し上げ、果物は9%上昇

エネルギーは前年同月比で2.0%上昇しており、エネルギーを除いたインフレ率は1.6%だった。

食料品の上げ幅は3.3%で、前月の2.3%から1ポイント拡大した。

エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は前月と同じ1.5%だった。

ドイツが危機モード入り、生活維持に必要な店舗を除き営業禁止

仏墺など5カ国との間を移動できるのは、国境を越えて通勤する人など正当な理由がある人に制限される。

鉄道と空路を通してこれらの国と行き来することについては現時点で制限が加えられていないものの、例えばロベルト・コッホ研究所が新型コロナの危険地域に指定した仏東部のアルザス・ロレーヌ地方からドイツに戻ってきた人は外出を2週間、控えることを要請されている。

このため州政府は飲食店の営業を18日から30日まで制限する。

新型コロナワクチン開発の独社、「米国第一」のトランプ政権が買収を画策か

3日には米国人であるキュアヴァクのダニエル・メニケラ社長(当時)をホワイトハウスに招待して新型コロナ用のワクチン開発について話し合った。

同社が専ら米国市場向けに新型コロナワクチンを開発・製造するようにすることを目指していたという。

また、独研究省の広報担当者は「米国へのワクチンの独占販売はあらゆる手段で阻止されなければならない」との立場を明らかにした。

自動車業界に工場停止の動き、サプライチェーンの寸断や需要減で

欧州の自動車業界で工場の操業を一時停止する動きが広がっている。

VWのヘルベルト・ディース社長は17日、独・欧州にあるグループの工場の大半を差し当たり2~3週間、停止することを明らかにした。

ポルシェはVWの子会社であるものの、生産停止を検討していない。

コメ銀とヒポ銀が一部支店を一時閉鎖

ヒポ銀は17日から100カ所強の支店を閉鎖した。

ドイツ銀行は現時点で支店閉鎖を検討していない。

閉鎖せざるを得ない状況となった場合は閉鎖対象となった支店の業務を大型支店が代行する。

卸売物価が再び下落、2月は-0.9%に

ドイツ連邦統計局が13日発表した2月の卸売物価指数は前年同月比0.9%減となり、2カ月ぶりに下落した。

卸売物価指数は前月比では0.9%減となり、2018年12月以来1年2カ月ぶりの大幅下落を記録した。

石油製品が6.9%減となり全体が強く押し下げられた格好だ。

企業倒産が99年以来の低水準に

ドイツ連邦統計局が13日発表した2019年の企業倒産件数は前年比2.9%減の1万8,749件となり、現行破産法が導入された1999年以降の最低を更新した。

負債総額は約268億ユーロで、前年の210億ユーロから28%増加した。

大型倒産が多かったことが反映された格好だ。

ドイツの病床数は約50万、1万人当たり6床

病床数は49万7,200床で、そのうち集中治療用ベッドは約2万8,000床を占める。

07年時点の病院数は2,087カ所、病床数は50万6,954床だった。

病院が減少しているのは規模の小さい施設が減っているためで、病床数100~559床の施設は1,266カ所から1,101カ所へと落ち込んだ。

温室ガス排出量、昨年は6.3%減少

エネルギー部門ではCO2排出量が多い石炭発電が大幅に減少。

エネルギー以外では製造部門で3.7%、農業部門で2.3%、廃棄物部門で4.7%減少した。

一方、交通部門の排出量は0.7%伸びた。

メルセデスベンツ―ハンガリーにプレス工場新設―

独ダイムラーの高級車部門メルセデスベンツ・カーズが、ハンガリーのケチケメート拠点にプレス工場を新設する。

メルセデスベンツはまた、プレス工場が稼働する22年までに、ハンガリー拠点の二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロとする目標だ。

メルセデスベンツは2008年に、12年からケチケメートで「Bクラス」を生産すると発表。

ECBが追加金融緩和、新型コロナ対応で量的緩和の拡大など決定

新型コロナウイルスの感染拡大で揺れるユーロ圏経済を下支えするのが目的で、量的金融緩和と銀行への資金供給を拡大する。

このため、ECBのラガルド総裁は2日、「適切な措置」を講じる用意があるとする声明を発表し、追加金融緩和を予告していた。

さらに、ノルウェー中銀は13日、政策金利を0.5ポイント引き下げて、1.0%にすると発表した。

新型コロナ対応で370億ユーロの経済対策

欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための経済対策として、医療制度や中小企業への支援策、雇用対策などに総額370億ユーロを投じる方針を発表した。10日に250億ユーロの財政出動を打ち出したが、感染拡大がEU経済に及ぼす影響を考慮し、規模を拡大する。また、加盟国が状況に応じて積極的な経済対策を講じることができるよう、国家補助や財政規律に関するルールを緩和する方針を示した。
今回の措置は、EU首脳が10日に開いたビデオ会議で合意した対策を拡充したもの。当初はEU予算から最大250億ユーロの基金を設ける方針だった。新型コロナの影響で最も打撃を受ける業界や中小企業を重点的に支援し、冷え込む景気を下支えする。小売、観光、輸送業など域内の約10万社を対象に、最大80億ユーロの融資保証を実施することや、感染拡大の影響で解雇された労働者や廃業に追い込まれた事業主に対する支援策として、欧州グローバル化調整基金から2020年に最大1億7,900万ユーロを拠出することなどを盛り込んだ。
感染拡大に伴い経済活動が停滞すると、資金の調達手段が乏しい中小企業は資金繰りが困難になって倒産しかねない。こうした事態を回避するため、企業に対する補助金交付を厳しく制限している国家補助規定を緩和し、加盟国が思い切った対策を取れるようにする。具体的には賃金補助の交付や、法人税や付加価値税(VAT)、社会保険料の納付期限の延長、さらにイベントの中止に際して企業が運賃やチケットの払い戻しに応じなかった場合、代わりに公的資金で補てんすることなどが可能になる。
さらにEUの厳格な財政規律ルールを弾力的に運用し、新型コロナへの対応で経済対策を導入する場合、安定成長協定を一時的に適用しない方針を打ち出した。新型コロナウイルスの感染拡大を「政府がコントロールできない異常事態」とみなし、対策関連の支出によって財政赤字が国内総生産(GDP)比で基準の3%を上回った場合でも、加盟国に規律違反で是正を求めることはしない。
欧州委のフォンデアライエン委員長は「新型コロナの感染拡大は医療制度にとって未曾有の危機であるだけでなく、欧州経済にとって極めて大きな衝撃だ。EUはこの危機を乗り越えることができると確信しているが、すべての加盟国が完全にそれぞれの責任を果たし、EUが結束して行動する必要がある」と強調。「状況に応じて追加的な対策を講じる用意がある」と述べた。

「景気後退入りは不可避」、主要経済学者が踏み込んだ支援策を要求

政府は企業の資金繰りを支援するために納税猶予措置なども検討している。

また、究極の手段として、企業救済基金を設立し、経営が悪化した企業に国が資本参加できるようにすることを提言した。

キール世界経済研究所のガブリエル・フェルバーマイル所長は、新型コロナの流行で10年以上続いたドイツ経済の成長は終止符を打ったと指摘したうえで、今年上半期は「確実に」景気が後退すると明言した。

アディダス―第1四半期中国売上は最大10億ユーロ減少―

スポーツ用品大手の独アディダス(ヘアツォーゲンアウラハ)は11日の決算発表で、今年第1四半期(1~3月)の中国売上高が前年を8億~10億ユーロ下回る見通しを明らかにした。

営業利益は4億~5億ユーロ押し下げられると見込んでいる。

営業利益は12.4%増の26億6,000万ユーロで、売上高営業利益率は前期の10.8%から11.3%へと上昇した。

ルフトハンザ―運航削減を2.3万便に拡大―

航空大手の独ルフトハンザ(フランクフルト)は11日、夏ダイヤの始まる29日から4月24日までの運行数をグループ全体で2万3,000便、削減すると発表した。

同社は28日までの運行数を7,100便、削減することを5日に明らかにしており、削減幅を3倍に拡大することになる。

特定の路線を全面的に停止することは避け、乗客が目的地に到着できるよう配慮している。

メルケル首相が市民に連帯を要求

新型コロナウイルスのワクチンも治療法もない現状が続けば最終的に60~70%の人が感染するとした専門家の見解を踏まえ、感染拡大のスピードを弱め国内の医療機能を維持することが重要だと指摘。

人気の高いプロサッカーリーグ「ブンデスリーガ」などが無観客試合となることが、新型コロナに感染すると重篤な状態に陥ったり死亡するリスクが高い高齢者や基礎疾患を持つ人を守ることにつながるのであれば、「それは最悪のことではない」と明言した。

シュパーン保健相は市民一人ひとりが「日常生活を少し断念すること」が自分自身と他人を守ることになると補足した。

1時間当たりの人件費、昨年は3%上昇

ドイツ連邦統計局が10日発表した2019年の就労1時間当たりの人件費(鉱工業とサービス業)は前年比3.0%増となり、2012年以来7年ぶりの高い伸びを記録した。

給与・賃金が2.9%増となり、上げ幅が前年の2.6%から拡大。

社会保険料の雇用者負担など賃金以外のコストは3.2%増となり、上げ幅は前年(1.5%)の2倍以上に膨らんだ。

新型コロナにどう対処すべきか?

新型コロナウイルスの感染がドイツでも急速に拡大し、市民だけでなく、企業も社員が感染した場合の対策や予防策の検討やに追われている。

そうした社員がいる職場では消毒など他の社員を感染から守るための措置を取る必要があり、そうした措置を雇用主が取らない場合、被用者は出勤を拒否できる。

感染が拡大した地域では学校や保育所が閉鎖されると、子供の世話をするために出勤できなくなる社員が出てくる。

独企業の56%に新型コロナの影響

それによると、「影響を受けている」との回答は製造業と流通業でともに63%、サービス業で50.3%に上った。

具体的な影響として回答が最も多かったのは、製造業では「出張の中止・延期」で、76.4%(母数は影響を受けた企業)に上った。

「影響を受けている」との回答が最も多い業種は「旅行」で、95.9%に達した。

化学業界が生産予測引き下げ、新型コロナの流行で

業界売上高(製薬を含む)については1,960億ユーロとしたこれまでの予測を据え置いた。

独化学・製薬業界の2019年第4四半期(10~12月)の売上高は営業日数・季節要因調整後の実質で前期比0.8%増の454億ユーロとなり、低迷にひとまず歯止めがかかった。

19年の業界売上高は1,962億ユーロとなり、前年を3.3%下回った。

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