欧州化学・薬品業界の動き

サノフィ、手術用品部門を米社に売却

仏製薬大手サノフィは2日、手術用品部門「セプラフィルム」を米医療機器、医薬品会社のバクスター・インターナショナルに売却することで合意したと発表した。

セプラフィルムは手術用品に特化した部門。

サノフィは大きな成長が期待できる事業に経営資源を集中する戦略に基づき、同部門の売却を決めた。

ノバルティス―がん免疫治療薬「キムリア」を欧州でも製造へ―

患者から取り出したT細胞の遺伝子を操作し、がん細胞を認識・攻撃するようにした製品だ。

同社は需給のひっ迫を緩和するためにシュタイン工場内にキムリアの製造施設を開設した。

市場では同薬の売上高が10億ドルを突破すると予想されているものの、今年1~9月の実績は1億8,200万ドルにとどまった。

ロシア石化大手タトネフチ、ウズベキスタン・タイヤ事業で合弁

ロシアのタタルスタン共和国を本拠とする石油化学大手タトネフチはこのほど、ウズベキスタン国営化学持ち株会社ウズキミヨサノアット(Uzkimyosanoat)とタイヤ生産事業で合弁すると発表した。

ウズキミヨサノアット傘下のプレンチェ・レジノテフニカ・ザヴォデ(Birinchi Rezinotexnika Zavodi:BRZ)の株式51%を取得し、合弁会社化する。

BRZはタシケントの南東約80キロメートルに位置するアングレンで工場を操業する。

英樹脂部品大手カークロー、車照明子会社のチェコ事業を売却

英プラスチック部品メーカーのカークロー(Carclo)はこのほど、傘下の自動車用ライト製造会社ウィパック(Wipac)のチェコ事業をカナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルに売却すると発表した。

1998年にカークローに買収され、同社の精密製品事業子会社になった。

チェコ子会社は東部のオストラバに拠点を構え、ウィパック製品の設計および開発を担当している。

ポルトガルの樹脂包装材大手、ポーランド同業を買収

ポルトガルのプラスチック包装材メーカー、ロゴプラステ(Logoplaste)は先ごろ、ポーランド同業のマステルチェム(Masterchem)を買収すると発表した。

ロゴプラステは同社の取得によりポーランド市場に迅速に参入する狙いだ。

ポーランド西部のジェロナ・グラに拠点を置き、欧州全土の1,000超の顧客に向けて年間5億個の製品を出荷している。

ノバルティス、米バイオ企業を97億ドルで買収

スイス製薬大手のノバルティスは11月24日、米国のバイオ医薬品会社メディシンズ・カンパニーを買収することで合意したと発表した。

心血管系疾患治療薬事業を強化する狙い。

その後は心血管系疾患分野でこの穴を埋める治療薬がなく、苦戦してきた。

スイス建設資材大手シーカ、ルーマニア同業を買収

スイスの建設資材大手シーカは25日、ルーマニアのモルタル・断熱材メーカー、アデプラストの買収で創業者一族と合意したと発表した。

関連製品を組み合わせて販売する「クロスセル」の機会が拡大すると期待している。

世界101カ国で300を超える工場を操業し、2万4,000人強を雇用する。

ノバルティス―米バイオ企業を97億ドルで買収―

スイス製薬大手ノバルティス(バーゼル)は24日、米国のバイオ医薬品会社メディシンズ・カンパニーを買収することで合意したと発表した。

心血管系疾患治療薬事業を強化する狙い。

その後は心血管系疾患分野でこの穴を埋める治療薬がなく、苦戦してきた。

英GSK、ハンガリーのワクチン工場の拡張完了

英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)はこのほど、ハンガリー・ブダペスト近郊ゲデレーにあるワクチン工場の拡張を完了した。

従業員数は300人に倍増した。

GSKは2001年にハンガリーに進出し、14年からは同国政府と戦略提携を結んでいる。

ノバルティス、アスペンの日本事業を買収

スイス製薬大手ノバルティスは11日、南アフリカ同業アスペン・ファーマケアの日本事業を買収することで合意したと発表した。

買収額は最大4億ユーロ。

合意した条件に沿って、最大1億ユーロを追加で支払う。

米メルクのエボラワクチン、欧州委が販売承認

エボラウイルスは血液や体液を介して感染し、進行すると皮膚から出血して致死率は90%に上ることもある。

Erveboは西アフリカで1万1,000人以上が死亡した2014年の流行時に開発された注射型のワクチンで、効果は99%に上るとされる。

欧州委員会のアンドリュカイティス委員(保健衛生・食の安全担当)は声明で「5年前に西アフリカでエボラ出血熱が流行して以来、できるだけ早く有効なワクチンを開発することが国際社会にとって最優先課題だった。Erveboの販売承認は多くの命を救う上で大きな一歩になる」と強調した。

英JLR、電子回路の印刷技術を内装デザインに応用

英高級車メーカーのジャガー・ランドローバー(JLR)は5日、印刷技術を用いて電子回路をつくるプリンテッドエレクトロニクス技術を内装デザインに応用する技術を開発したと発表した。

同LESAと、平面上にシステムを「印刷」するプリンテッドエレクトロニクスを組み合わせることで、将来の内装の主流になると予想されるボタンレスデザインを実現できるとしている。

同社がLESAを活用して試作したオーバーヘッドコントロールパネルは重量を60%削減し、部品の寸法を50ミリから3.5ミリにまで小型化できたという。

シンジェンタのロシア工場着工、21年に稼働予定

中国化工集団(ケムチャイナ)傘下のスイス農薬大手シンジェンタは先ごろ、ロシア南西部のリペツクで新工場を着工した。

年産能力は約500万リットルで、40人超の雇用を予定する。

シンジェンタは2000年にスイスのノバルティスと英アストラゼネカの農薬・種子事業部門の合併で誕生し、17年にケムチャイナが中国企業による海外企業買収として最高額の430億ドルで取得した。

スイス高機能樹脂大手グリト、ハンガリー工場を来年閉鎖

スイスの高機能樹脂大手グリト(Gurit)は10月29日、ハンガリーの自動車部品工場を来年年央に閉鎖すると発表した。

同社は昨年末に合成樹脂部品事業を切り離すことを決定したものの、売却先がみつからなかったことから同工場の閉鎖を決めた。

同社は影響を受ける従業員の支援を徹底する方針。

欧州後発医薬品大手ゼンティバ、米同業から中東欧事業を買収

欧州後発医薬品大手のゼンティバ(チェコ)は25日、米同業のアルボジェンから同社の中東欧事業を買収する契約に調印したと発表した。

ゼンティバのハガー社長は「弊社は中東欧における地位を強化しつつ、新市場参入・製品レンジの拡大を進める戦略を掲げており、今回の買収はこれを前進させるもの」と話した。

また、ゼンティバに籍を移すアルボジェンの従業員1,000人を歓迎する立場を明確にし、「質の高い医薬品を手の届く価格で提供するという使命の実現に力を合わせて取り組めば、弊社をさらに強くすることができる」と期待感を示した。

英製薬大手GSK、2つのワクチン事業を売却

製薬大手の英グラクソ・スミスクライン(GSK)は21日、2つのワクチン事業をデンマークのバイオ製薬会社ババリアン・ノルディックに売却すると発表した。

両ワクチンの今後の販売実績によって最大4億9,500万ユーロ、棚卸資産の売却で1億5,900万ユーロが上乗せされる。

本体は医療用医薬品とワクチンに集中している。

ロシュ、ハンガリーに安全性管理センター開設

スイス製薬大手のロシュは17日、ハンガリー・ブダペスト近郊のブダエルシュの拠点で「欧州医薬品安全性管理センター(PV HUB)」を開設したと発表した。

ロシュは1984年にブダエルシュに研究開発センターを設置した。

2006年にはブダペストにサービスセンター及びITセンターを開設している。

ギリシャ化学企業カパキム、ハンガリーに生産拠点

化粧品の基礎原料や家庭用洗剤の材料を生産する。

年産能力は8~10万トンで、製品は米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、英蘭系ユニリーバ、独ヘンケルなどの中東欧生産拠点に供給する。

カパキムは医薬品や石鹸、洗浄剤など家庭用化学製品に使用される基礎材料を生産し、消費財の世界大手に供給している。

仏エア・リキード、カザフに窒素生産拠点

仏産業ガス大手のエア・リキードは16日、カザフスタン国営石油会社カズムナイガスとの合弁会社エアリキード・ムナイ・テックガスを通じ、同国西部に窒素生産施設を建設すると発表した。

カザフスタン石油化学会社KPIとこのほど交わした長期供給契約に沿い、対応する生産体制を整備するためで、1,500万ユーロを投資する。

KPIは2004年、カズムナイガス傘下のユナイテッドケミカル(出資シェア51%)と民間のSAT&Co.(49%)の合弁会社として設立された。

仏製薬大手サノフィ、ブダペストにサービスセンター設置

仏製薬大手サノフィがハンガリーのブダペスト拠点にサービスセンターを設置する。

政府広報によると、同センターでは経理や人事などのバックオフィス業務が7か国語で実施される予定。

同社は2013年以来、ハンガリー政府の戦略パートナーとなっており、国内で2,000人を雇用している。

ノバルティス、ペニシリン生産をスロベニアからオーストリアに移管

スイスの製薬大手ノバルティスがスロベニアでのペニシリン生産を停止する。

ノバルティスは当初、スロベニアでペニシリンの生産を拡大する予定だったが、プレバリェ工場を同社のグローバル事業の中核拠点として整備する方針に伴い変更された。

ノバルティスはスロベニア子会社のレクを通じて経口タイプのペニシリンを生産してきた。

スイス製薬大手ロシュ、ハンガリーに安全性管理センター設置

スイス製薬大手のロシュがハンガリー・ブダペスト近郊のブダエルシュ工場に医薬品の安全性管理センターを設置する。

ハンガリー投資促進庁(HIPA)が先ごろ明らかにしたもので、バルカン諸国を含む欧州29カ国を対象とする「欧州医薬品安全性管理センター(PV HUB)」を設置し、製品の安全性管理を行う。

ロシュは1984年にブダエルシュに研究開発センターを設置した。

Solvay:ベルギー化学大手ソルベイ、ブルガリア工場に追加投資

ソルベイの発表によると、デヴニャ工場の新生産ラインは来年末までに稼働する。

米ワイオミング州のグリーンリバー工場では炭酸ナトリウムの生産能力を60万トン引き上げる。

ソルベイは今回の投資計画について、「炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムはグループの稼ぎ頭で、安定した利益を生み出している。増産で世界需要の拡大に応え、収益力を強化する」と狙いを明らかにした。

Nanolek:露ナノレク、GSKとワクチン製造で戦略提携

第1段階として国内西部キーロフ州のオリチにあるナノレクの工場にGSKの風疹ワクチン製造技術を移転し、2021年から製造を開始する。

ナノレクはGSKのワクチンが国内全域に供給できるようになることを目指すとともに、中期的にGSKの他のワクチンもロシアで生産することを視野に入れている。

蘭ビルトホーフェン・バイオロジカルズと不活化ポリオワクチン(iPV)で、仏サノフィ・パスツールと5種混合ワクチンですでに製造提携している。

Lundbeck:デンマーク製薬大手ルンドベック、米アルダーを買収

デンマーク製薬大手のルンドベックは16日、米同業アルダー・バイオファーマシューティカルズを買収することで合意したと発表した。

アルダーは偏頭痛に有効とされるモノクローナル抗体「エプチネズマブ」を開発中で、2月に米食品医薬品局(FDA)に認可を申請した。

製品群を拡充するため、アルダー買収を決めた。

Novartis:ノバルティスのスロベニア子会社、研究開発拠点を拡張

スイス製薬大手ノバルティスのグループ会社レク(Lek)は先ごろ、スロベニアの首都リュブリャナの研究開発拠点を拡張したと発表した。

がんの治療に用いる固形剤や無菌製剤を開発するための実験施設を設置したほか、既存施設の改修を行った。

リュブリャナの研究施設では330人が従事している。

BASF:車載電池のリサイクルシステム確立へ、独仏3社がプロジェクト

化学大手の独BASF、資源大手の仏エラメット、廃棄物処理大手の仏スエズは11日、車載リチウムイオン電池の新しいリサイクルシステムの確立に向けて協業すると発表した。

限りある資源を節約するとともに、電池原料を欧州で安定確保できるようにする。

プロジェクトでは廃リチウムイオン電池の回収から、電池材料であるニッケル、コバルト、マンガン、リチウムの再資源化までをカバーする循環システムを確立する。

Conagen:米バイオメーカーのコナジェン、ハンガリーに工場設置

米国のバイオメーカー、コナジェンがハンガリー東部のカーバに工場を設置する。

コナジェンは、エボニック・アグロフェルムのアミノ酸工場跡地に工場を設置する。

地元のハイドゥ・ビハール県のパイナ県議会議長によると、新工場はフル稼働時に年間最大500億フォリントの農産品を調達する。

Solvay:化学大手のソルベイとBASF、独同業とポリアミド事業の部分売却で合意

ベルギーの化学大手ソルベイと独同業のBASFは14日、合成樹脂製品大手の独ドーモケミカルスにソルベイのポリアミド(ナイロン樹脂)事業の一部を売却することで合意したと発表した。

今回の部分売却はソルベイの同事業をBASFが買収する計画をめぐり、公正な競争を維持するため欧州委員会が計画承認の前提条件としていたもので、BASFとソルベイの取引成立に向けた大きな一歩となる。

BASFは2017年9月、ソルベイのポリアミド事業を16億ユーロで買収することで合意した。

Sika:スイス特殊化学シーカ、セルビア工場を拡張

スイスの特殊化学メーカー、シーカは23日、セルビア・ベオグラード近郊のシマノフチ工場を拡張したと発表した。

同工場で生産されたモルタルは主に卸業者向けのもので、国内のほか近隣のクロアチア、スロベニア、ハンガリー、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに出荷する。

シーカは2014年にセルビア工場を開設した。

GSKとファイザーの大衆薬事業統合、欧州委が条件付きで承認

欧州委員会は10日、製薬大手の英グラクソ・スミスクライン(GSK)と米ファイザーが一般用医薬品(大衆薬)事業を統合する計画を承認したと発表した。ファイザーが「サーマケア」のブランド名で展開する局所疼痛治療薬事業を売却する

AbbVie:米製薬大手アッヴィ、アイルランドのアラガンを買収

米製薬大手アッヴィは6月25日、アイルランド同業のアラガンを買収することで合意したと発表した。買収額は約630億ドル。主力の関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」の特許切れで収益低下が懸念される中、しわ取り薬「ボトックス」で知ら

昭和電工―スイスのコーティング剤メーカー買収―

昭和電工は5月28日、ノンスティック・コーティング剤(NSC)を製造・販売するスイス企業ILAGインダストリーラックの全株式を現地の投資会社ヘルベチカ・キャピタルから取得する契約を締結したと発表した。収益性と安定性を高レ

露化学大手シブールのDOTPプラントが稼働、輸入依存脱却へ

ロシア化学大手シブールはこのほど、中西部のペルミでジオクチルフタレート(DOTP)プラントを正式に稼働した。国内需要を満たすとともに、国外への販売を開始する狙い。年産10万トンを計画する。 同プラントは韓国・愛敬油化の技

BASF―牛乳由来の生分解フィルム販売で仏社と協業―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は13日、牛乳を原料とする生分解性フィルムの独占販売契約を仏スタートアップ企業ラクチップス(Lactips)と締結したと発表した。環境に優しい同フィルム製の包装材を洗剤向け

ノバルティス、武田のドライアイ治療薬を取得

スイス製薬大手のノバルティスは9日、武田薬品工業からドライアイ治療薬「シードラ」を取得することで合意したと発表した。武田はアイルランド製薬大手シャイアーの買収で膨らんだ債務を圧縮するため、シードラを手放す。取引額は最大5

リンデ―韓国事業を部分売却―

アイルランドに本社を置く独米資本の工業ガス大手リンデ(ダブリン)は4月30日、韓国事業の一部を現地投資会社IMMプライベート・エクイティに売却したと発表した。リンデは独リンデと米プラクスエアーが昨年10月に合併して設立さ

塩野義製薬―便秘治療薬の欧州販売で独社と契約―

塩野義製薬は11日、医療用麻薬の摂取に伴う便秘症(OIC)の治療薬である同社製品「Rizmoic(製品名:ナルデメジン)」のドイツ、英国、オランダにおける販売を製薬大手ノバルティスの後発医薬品子会社である独サンドが行うこ

現代エンジ、ポーランド化学工場のターンキー契約受注

ポーランド化学最大手のグルパ・アゾティはこのほど、国内に化学工場を新設する事業のターンキー契約を韓国の現代エンジニアリングと結んだことを明らかにした。契約額は最大10億ユーロ。計画段階からライセンス、製品製造に必要な触媒

アストラゼネカ、第一三共と抗がん剤で提携

英製薬大手アストラゼネカと第一三共は3月29日、抗がん剤の開発・販売で提携したと発表した。第一三共が開発中の抗がん剤「トラスツズマブ・デルクステカン」が対象。第一三共は最大69億ドルの対価を受け取る。 トラスツズマブ・デ

ロシュ、遺伝子治療薬の米スパークを買収

スイス製薬大手のロシュは2月25日、遺伝子治療薬を手がける米スパーク・セラピューティクスを買収することで合意したと発表した。遺伝子治療薬部門の強化が狙いで、買収額は43億ドルに上る。 1株当たりの買い取り価格は114.5

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