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2015/9/18

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Direct4Gas

この記事の要約

天然ガスエンジン向けの燃料直噴装置を研究開発するドイツの共同プロジェクト。独自動車部品大手のボッシュが主導する。 ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの燃料噴射装置のように、天然ガスを直接噴射するシステムの開発により、燃 […]

天然ガスエンジン向けの燃料直噴装置を研究開発するドイツの共同プロジェクト。独自動車部品大手のボッシュが主導する。

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの燃料噴射装置のように、天然ガスを直接噴射するシステムの開発により、燃費改善や二酸化炭素(CO2)排出量の低減、運転性能の向上といった効果を得られると見込んでいる。

現在の天然ガス車は、天然ガスとガソリン燃料のバイフューエル車が多く、バイフューエル車のエンジンはガソリン燃料の燃焼を主体とした設計となっている。天然ガスは予備燃料の位置づけであり、燃料配管を通りエンジンに供給されている。

天然ガスの主成分であるメタンは、ガソリンとは異なる燃焼の特徴があることから、研究チームは、天然ガスに特化した燃料直噴システムを開発し、燃焼プロセスを最適化することにより、燃費などを改善できると見込んでいる。

今回のプロジェクトでは、バイフューエル車ではなく、純粋な天然ガス車用の燃料噴射システムの開発に取り組む。メタンの化学物質配合や燃焼プロセスの最適化により、比較可能なガソリンエンジン車と比べてCO2排出量を最大33%削減できると見込んでいる。また、燃料直噴装置の導入により、従来の天然ガス車と比べてCO2排出量を17%削減できると試算している。

さらに、燃料噴射装置の導入により、エンジンの回転数が低い状態のトルクを最大で60%引き上げることが可能と予想している。

研究チームは、天然ガスを噴射するためのインジェクターを設計するほか、研究用の天然ガスエンジンを開発し、試験装置での実験や、車両に組み込んで走行試験を実施することも計画している。

同プロジェクトには、ボッシュ、独自動車大手のダイムラー、シュツットガルト自動車・エンジン研究所(FKFS)が参加しており、連合パートナーとしてベルギーの非鉄金属大手ユミコアも協力している。

実施期間は2015年1月~2017年末までの3年で、ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)が380万ユーロを支援している。

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