2010/6/14

産業・貿易

今年のクロマグロ漁もう終了、解禁後9日間で漁獲枠に到達

この記事の要約

欧州委員会は8日、今シーズンの大西洋と地中海のクロマグロ漁を予定より早い9日零時をもって終了すると発表した。すでに今年の漁獲枠に達したためという。禁漁の対象となるのは巾着網漁を行う大型船で、釣り針などを使う小型船の漁獲は […]

欧州委員会は8日、今シーズンの大西洋と地中海のクロマグロ漁を予定より早い9日零時をもって終了すると発表した。すでに今年の漁獲枠に達したためという。禁漁の対象となるのは巾着網漁を行う大型船で、釣り針などを使う小型船の漁獲は認められる。

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夏のクロマグロ漁シーズンは6月の1日から15日にまでの予定だったが、漁獲探索用ソナーなどを備えた大型船は漁獲量も多く、わずか10日弱で漁獲枠に達した。欧州委のダマナキ委員(漁業・海事担当)は、「禁漁はクロマグロの脆弱な資源量の保護と回復に必要」と説明している。影響を受けるのは主にフランス、ギリシャ、スペインの漁船だが、地中海沿岸諸国でもEUに加盟していないトルコやリビアには及ばない。こうしたEU以外の漁獲量は全体の40%に上るとされる。

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フランスのルメール食料・農業・漁業相は、フランスが漁獲枠に達したかどうか明確でないとして、欧州委に説明を求めていることを明らかにした。同漁業相は、漁獲枠を満たしたことを公式に証明する必要があると主張している。

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一方、環境保護団体のグリーンピースは「クロマグロは絶滅の淵にあり漁獲すべきではない」と批判。グリーンピースは今月初めに海上でクロマグロ漁に対する抗議活動を行い、フランス漁船の網を切ってクロマグロを逃がそうとして漁師と衝突するという事件を起こしていた。

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EUは今年3月、カタールの首都ドーハで開催されたワシントン条約締約国会議(CITES)で大西洋と地中海産クロマグロの国際取引の禁止を目指したが、最大の消費国である日本をはじめアジアや中東、アフリカ諸国が禁輸に反対し否決されている。

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