2020年2月3日

英がついにEU離脱、47年の歴史に終止符

英国が1月31日の午後11時(英国時間)にEUを離脱した。

EUで加盟国が離脱するのは初めて。

離脱協定案では英国側が20年7月1日までに要請すれば、移行期間を22年12月末まで延長することが可能となっているものの、英国の離脱関連法にはジョンソン首相の意向を反映し、政府に延長を禁止する条項がある。

10~12月のユーロ圏成長率は0.1%、13年1~3月以来の低水準に

EU統計局ユーロスタットが1月31日に発表した2019年10~12月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.1%増となり、伸び率は前期の0.3%から0.2ポイント縮小した。

前年同期比では1%増で、伸び率は前期から0.2ポイント縮小した。

これまでにユーロ圏主要国の当局が発表した同期のGDP統計(前期比)によると、フランスは0.1%減、イタリアは0.3%減となり、それぞれ前期の0.3%増、0.1%増からマイナスに転落した。

「5G」参入巡り欧州委が勧告、華為の完全排除は見送り

中国の華為技術(ファーウェイ)を念頭に、加盟国に対して「高リスク企業」がネットワークの中核部分に参入するのを制限または阻止できる仕組みを導入するよう促す一方、同社製品の完全な排除は求めなかった。

米トランプ政権は安全保障上の懸念を理由に、5G通信網からファーウェイ製品を排除するよう同盟国に求めているが、28日には英政府が非中核部分で同社製品を容認する方針を打ち出しており、米国の反発が予想される。

高いリスクがあると判断した場合、機密情報を管理するネットワークへのアクセスを制限し、特に重要な中核部分から排除するよう求めている。

ユーロ圏の6銀行、ECBの調査で「資本不足」

欧州中央銀行(ECB)は1月28日、銀行監督委員会が昨年に実施したユーロ圏の銀行の財務健全性に関する調査で、6銀行が資本不足だったと発表した。

さらに、金融市場の混乱や景気の悪化といった不測の事態が生じた場合でも持ちこたえられるようにするため、「第2の柱ガイダンス」と呼ばれる資本水準を銀行ごとに設定している。

ユーロ圏の銀行は超低金利や実店舗運営のコストがかさんでいることなどで厳しい状況にあり、資本不足となった銀行は前年の1行から急増した。

英中銀が金利据え置き、移行期間後の金融緩和に含み

ただ、EU離脱後の急激な変化を避けるための「移行期間」が終了する2020年末以降の状況が読めないため、経済成長が軌道に乗らない場合は金融緩和を実施する可能性を示唆した。

20年の実質成長率も金融危機以降で最も低い0.8%にとどまるとの予測を示し、「国内外の経済指標に前向きなシグナルが持続しない場合、英成長率の回復見込みを強化する政策が必要になるだろう」と指摘した。

来年以降にEU離脱が経済成長の重しになる可能性があると指摘し、金融政策で成長を下支えする必要があるか見極める方針を示した。

EBAが51行対象にストレステスト、低金利長期化で審査厳格化

欧州銀行監督機構(EBA)は1月31日、EU域内の大手銀行51行を対象とする2020年のストレステスト(健全性審査)を開始した。

英国は同日付でEUを離脱したが、ストレステストは移行期間に実施されるため、英銀も審査対象に含まれている。

22年までに失業率が3.5ポイント上昇するほか、株価は先進国で25%、新興国で40%下落し、住宅価格は16%下落するとの悪化シナリオを想定した。

スマホ充電器の規格統一に向け法整備、欧州議会が決議採択

欧州議会は1月30日、EU域内で販売されるスマートフォンなどモバイル端末の充電器について、メーカーに規格を統一させるための法整備を求める決議を採択した。

しかし、増え続ける電子ごみの問題に対処するには拘束力のある規制の下で規格の統一を実現する必要があると判断し、法整備を求める決議案をまとめた。

具体的にどの規格に統一すべきかは言及していないが、米グーグルの「アンドロイド」搭載スマホなどで広く採用されている「USB Type-C」が有力視されている。

欧州委がNBCユニバーサルに制裁、ライセンス商品の越境販売制限で

欧州委員会は1月30日、米メディア大手コムキャスト傘下のNBCユニバーサル(NBCU)が人気映画のキャラクターを使った商品の域内における越境販売を不当に制限し、EU競争法に違反したとして1,430万ユーロ(約17億1,800万円)の制裁金を科したと発表した。

欧州委はNBCUがライセンス契約を結んだ事業者の販売活動を不当に制限している疑いがあるとして、2017年6月から調査を進めていた。

欧州委によると、NBCUは13年から19年9月まで約6年半にわたり、オンライン取引を含めて域内での国境を越えた販売を制限したり、取引先を制限するなど、反競争的な商慣行を継続していた。

1月のユーロ圏インフレ率、1.4%に拡大

分野別ではエネルギーが1.8%と、前月の0.2%から急上昇した。

サービスは1.8%から1.5%に縮小した。

ECBが金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は1.1%で、前月から0.2ポイント縮小し、物価の基調は弱い。

12月のユーロ圏失業率は7.4%、08年5月以来の低水準に

EU統計局ユーロスタットが1月30日に発表した12月のユーロ圏の失業率は7.4%となり、前月の7.5%から0.1ポイント低下した。

EU28カ国ベースの失業率は前月を0.1ポイント下回る6.2%。

同月の失業者数は、ユーロ圏が前月を3万4,000人下回る1,225万1,000人、EUが同8万人減の1,547万5,000人と推定されている。

ユーロ圏景況感、3カ月連続改善

欧州委員会が1月30日に発表したユーロ圏の同月の景況感指数(ESI、標準値100)は102.8となり、前月から1.5ポイント上昇した。

製造業が大きく上昇した。

分野別では製造業が2ポイント、建設業が1.2ポイントの幅で上昇した。

フィリップスが家電部門を分離、ヘルスケア事業に特化

ヘルスケア大手のフィリップス(オランダ)は1月28日、家電事業を分離すると発表した。

同社は医療機器などヘルスケア事業に力を入れるため、多くの家電事業を切り離してきたが、残る事業も分離し、ヘルスケア事業に特化する。

照明事業も切り離し、収益力が高いヘルスケア事業を強化してきた。

VW傘下のトレイトン、米ナビスターに買収提案

独フォルクスワーゲン(VW)の商用車子会社トレイトンは1月30日、提携する米トラック大手ナビスター・インターナショナルの株式を買い増し、完全子会社化することを提案したと発表した。

トレイトンは2016年、ナビスターの株式16.8%を取得し、調達と技術面で提携してきた。

ナビスターは同日、買収提案が自社の戦略に合致するかどうか慎重に検討することを明らかにした。

米車部品大手ボルグワーナー、英デルファイを買収

米自動車部品大手のボルグワーナーは1月28日、英同業デルファイ・テクノロジーズを買収することで合意したと発表した。

買収は株式交換方式で実施される。

買収で誕生する新会社の株式の84%はボルグワーナーの株主、16%はデルファイの株主が保有することになる。

ボーダフォン、エジプト事業をサウジ企業に売却

携帯電話サービス大手の英ボーダフォンは1月29日、エジプト事業をサウジアラビア通信最大手のサウジ・テレコムに売却することで基本合意したと発表した。

ボーダフォンのほか、同国の国営通信会社テレコム・エジプトが45%を出資している。

サウジ・テレコムはエジプトでボーダフォンのブランド名を使用し、サービスを展開する。

東洋紡、欧州のPET企業連合に参加

東洋紡は1月31日、欧州のPET(ポリエチレンテレフタレート)関連企業のバリューチェーン全体を網羅するコンソーシアム「ペットコア・ヨーロッパ」に参加したと発表した。

持続可能なPET製品・技術の開発・提供にこれまで以上に注力し、人と環境にやさしい循環型経済の実現に貢献していく。

東洋紡は高いバリア性能により食品の消費期限の延長に貢献する高機能なフィルムから、PETボトルのリサイクル樹脂を使用した環境配慮型フィルム製品まで、さまざまな包装用途のPETフィルム製品を手がけている。

ドイツ銀行、19年は赤字に転落

独最大手銀行のドイツ銀行が1月30日に発表した2019年12月期決算の最終損益は52億6,500万ユーロの赤字となり、前期の黒字(3億4,100万ユーロ)から大幅に悪化した。

同期には組織再編と評価損、人員削減で計30億ユーロを計上したほか、繰延税金資産(DTA)の評価額を28億ユーロ引き下げたことから、赤字幅が膨らんだ。

ただ、これらの措置により再編関連の費用の70%を計上。

三菱自、排ガス不正を否定

三菱自動車は1月30日、ディーゼル車に排ガスを違法に操作する機能が搭載されている疑いがあるとしてドイツの検察当局が事業拠点を立ち入り捜査したことについて声明を発表し、容疑を否定した。

三菱自はこれまでの社内調査を踏まえ◇デフィートデバイスの装備は行っていない◇自社製エンジン制御は独連邦運輸局(KBA)にすべて開示し、指摘事項があればそれに応じた改善を行ってきた◇検察から疑いをかけられている車種は排ガス規制を含めてすべて、法規に則り認証を取得して販売しており、全販売車両はKBAの認可を得ている――との見解を表明した。

社内調査を引き続き行うとともに、検察の調査に全面協力していくとしている。

帝人、独に車向けテクニカルセンター開設

帝人は次世代自動車に必要な軽量化や多機能化を実現するため、2017年に米コンチネンタル・ストラクチャル・プラスティックス(CSP)を買収した。

欧州ではCSPの仏現地法人CSPヨーロッパで、熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させてシート状にした成形材料であるSMCの生産拠点2カ所を新設したほか、ポルトガルのイナパル・プラスティコスやチェコのベネット・オートモティブを買収。

TACEを設立することで今後は、欧州各拠点が有する研究開発機能やマーケティング機能を有機的に連携させて、複合成形材料のデザイン・設計やプロトタイプの試作・評価を実施。

アラガン、消化補助膵酵素製剤と炎症性腸疾患治療薬を売却

アイルランド製薬大手のアラガンは1月27日、消化補助膵酵素製剤の「ゼンペプ」、「ビオケース」と炎症性腸疾患(IBD)の治療薬「ブラジクマブ」を売却することで合意したと発表した。

消化補助膵酵素製剤は食品大手ネスレ(スイス)、ブラジクマブは英同業アストラゼネカに売却する。

売却額は明らかにしていない。

トルコの国産EVプロジェクト、5月に工場着工へ

トルコ初の電動(EV)国民車を生産する工場が、5月にも着工する予定だ。

プロジェクト推進を目的に国内5社などが設立したトルコ自動車合弁会社(TOGG)のカラカシュCEO(最高経営責任者)が1月28日に明らかにしたところによると、2022年に量産体制に移行する。

国産EVの生産にともない、トルコ全国で充電インフラが整備されるという。

中東欧の昨年のM&A減少、中国との取引は倍増

中国からの昨年のM&A投資は約64億ユーロで前年から倍増し、14%増の米国の58億ユーロ(取引件数122件)を上回った。

取引件数で米国に次ぐドイツは17%増の83件で、取引額は6%減の13億5,000万ユーロだった。

オーストリアの取引額は13億6,000万ユーロで12%増加した。

ブリヂストン、ポーランド工場を拡張

圧延と加硫の工程を行う施設を新設し、工場の生産能力を日産4万個まで引き上げる。

ブリヂストンは同工場で乗用車用ラジアルタイヤを生産し、独ダイムラーのメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン(VW)に供給している。

同社は2017年にポズナニ工場のほか、トラック・バス用タイヤを生産する同国のスタルガルト工場、乗用車用ラジアルタイヤを生産するスペインのブルゴス工場の増強を発表していた。

独フィースマン、ポーランド温水器メーカーの買収完了

暖房機器大手の独フィースマンはこのほど、ポーランドの温水器メーカー、コスペルの買収を完了した。

製品ポートフォリオを拡充するとともに、中東欧市場の開拓を強化する。

買収金額は公表しないことで合意している。

バイエル・クロップサイエンス、露に自社農薬工場建設

バイエルはロシアでは地場の農薬メーカー、アグロキミカートに生産を委託しているが、現地生産を強化するため自社工場を新設する。

バイエルは2003年にアグロキミカートと生産提携した。

現在、ロシア市場向け製品の4割超を同社が生産しており、今後も生産量を増やす考えだ。

上部へスクロール