欧州製薬大手のノバルティス(スイス)は17日、医療用医薬品事業を抗がん剤、その他の医薬品の2部門に分割すると発表した。7月1日付で実施する。同時に関連部門のトップも入れ替える。
医療用医薬品はノバルティスの売上高の約3分の2を占める中核事業だ。2部門への分割は、英グラクソ・スミスクライン(GSK)との事業交換で強化した抗がん剤部門の重要性が増大していることに応じたもの。特許が切れた主力の白血病治療薬「グリべック」の販売が、ジェネリック医薬品(後発薬)に押されて落ち込む中、同部門を他の医薬品事業と切り離すことで迅速な経営判断を行えるようにし、底上げを図りたい考えだ。
同社は昨年、GSKとの事業交換によって、ワクチン事業の大部分と引きかえにGSKの抗がん剤事業を取得していた。
医療用医薬品事業のトップは米国人のデビッド・エプスタイン氏が率いてきた。事業再編に合わせて同氏は退社し、その他の医薬品部門のトップには英アストラゼネカの米国法人の社長を務めるポール・ハドソン氏が就任。抗がん剤部門は現在の同部門を率いるブルーノ・ストリジニ氏がトップとなる。