欧州経済ウオッチャー

EUの「永遠の化学物質」規制案、独機械業界が批判

EUが永遠に残る化学物質と呼ばれるPFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の利用を原則する禁止方向で検討していることについて、ドイツの機械業界が批判している。規制案が無修正で施行されると、製

EUと開発企業が「AI協定」策定へ、法整備に先行して対策強化

欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)は24日、人工知能(AI)の急速な進化に対応するため、開発企業と協力して「AI協定」の策定を目指す方針を明らかにした。EUはAIの利用に関する包括的な規制の早期導入を目指しているが

コンチネンタルがロシア撤退、カルーガ工場を売却

自動車部品大手の独コンチネンタルは22日、ロシアからの撤退を発表した。すでにモスクワ南西部のカルーガにある工場を現地投資会社S8キャピタルに売却することで当局の承認を受けている。取引額は非公表。競合の仏ミシュランとフィン

ステランティスが英にEU離脱協定見直し要求、EVへの関税巡り

欧州自動車大手のステランティスが英政府に対して、EUとの離脱協定の見直しを求めている。英国からEUに輸出される電動商用車に2024年から関税が課されることになっているためだ。EUと再交渉し、ルールが変更されなければ同社の

ユーロ圏の1~3月期GDP、0.2%増に下方修正

EU統計局ユーロスタットが16日に発表した2023年1~3月期の域内総生産(GDP)の最新統計によると、EU27カ国のGDPは前期比0.2%増となり、伸び率は速報値の0.3%から0.1ポイント下方修正された。前年同期比の

4月のEU新車販売17%増、9カ月連続プラスに

欧州自動車工業会(ACEA)が17日に発表したEU27カ国の4月の新車乗用車の販売(登録)台数は80万3,188台となり、前年同月から17.2%増加した。販売増加は9カ月連続。特に電気自動車(EV)の販売急増が続いている

ポーランド初の水素機関車、試験運行にゴーサイン

ポーランド初の水素燃料電池機関車(水素機関車)がまもなく実用化される見込みだ。同国鉄道運輸局は開発元の鉄道車両メーカーPESAに対し、試験運行のための認可証明書を発行する。 同水素機関車は「SM42」入換機関車がベースと

ユーロ圏鉱工業生産、3月は4.1%低下

EU統計局ユーロスタットが15日に発表したユーロ圏の3月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比で4.1%の低下となった。マイナスとなるのは3カ月ぶり。機械など資本財が大きく低迷したことが響いた。(表参照) 分野

メルセデス、バン部門の競争力強化

独高級車大手メルセデスベンツは16日、バン部門の新戦略を発表した。モデルのプレミアム化を推進すると同時にコストを削減し、競争力を強化する。市場開拓の余地が大きい米国と中国では販売を加速させる。同社は主力の乗用車部門ですで

ニデックのセルビア工場が開所、中東欧の中核拠点に

ニデック(旧日本電産)は18日、セルビア北部のノビサドで2工場の開所式を行った。需要が増す電気自動車(EV)用のモーターとインバーター、電子制御ユニット(ECU)を生産する。投資額は明らかにしていない。 車載モーター工場

再エネ指令改正案、仏などの反対で採決見送り

EU加盟国は17日開いた大使級会合で、再生可能エネルギー指令の改正案について協議したが、原子力由来の低炭素水素の扱いについてフランスなどが難色を示し、議長国スウェーデンの判断で採決を見送った。欧州議会と閣僚理事会は3月末

23年のユーロ圏成長率、1.1%に上方修正=欧州委

欧州委員会は15日に発表した春季経済予測で、ユーロ圏の2023年の域内総生産(GDP)実質伸び率を1.1%とし、前回(2月)の0.9%から0.2ポイント上方修正した。エネルギー高が一服したことなどを考慮したもので、前回に

吉利がアストンマーティンに追加出資、第3位株主に

英高級車メーカーのアストンマーティンは18日、中国自動車大手の浙江吉利控股集団が2億3,400万ポンドを追加出資し、第3位株主となると発表した。吉利は2022年9月にアストンマーティンの株式7.6%を取得していたが、出資

JA全農・クボタとBASFが実証試験、営農支援システム連携で

全国農業協同組合連合会(JA全農)とクボタ、独化学大手BASFは15日、JA全農とBASFが日本国内で開発・推進する栽培管理支援システム「ザルビオ・フィールドマネージャー」とクボタが開発・推進する営農・サービス支援システ

英通信大手BTが人員4割削減、AI活用など視野に

英通信最大手のBTグループは18日、最大5万5,000人を2030年までに削減すると発表した。光ファイバー回線網の整備完了や将来の人工知能(AI)活用を見込んだもので、従業員の42%に相当する大規模なリストラに踏み切る。

PKNオルレン、EV急速充電網整備でシュコダ自と協力

ポーランド石油最大手PKNオルレンのチェコ子会社オルレン・ウニペトロルは、電気自動車(EV)用の急速充電インフラの整備で同国のシュコダ自動車と協力する。自社のサービスステーション網を活用し、EVの急速充電ネットワークを拡

日本郵船、独エネ大手EnBWと傭船契約

日本郵船は16日、独エネルギー大手EnBWと新造LNG(液化天然ガス)船4隻の長期定期傭船契約を締結したと発表した。船舶は韓国のHD現代重工業で建造され、2027年から順次竣工する予定。エネルギー事業本部執行役員の井浪康

EUの暗号資産規制、加盟国が正式承認

EUは16日開いた財務相理事会で、暗号資産(仮想通貨)に関する包括的な規制である「暗号資産市場(MiCA)規則案」を正式に承認した。暗号資産に関する関心が高まる中、金融システムの安定性を維持し、投資家を保護すると同時に金

中国奇瑞汽車、7~9月期にポーランド参入

中国自動車大手の奇瑞汽車(チェリー)が中国市場に参入する。2023年7~9月期にクロスオーバーSUV「オモダ(Omoda)5」を投入する予定だ。 同社のポーランド事業を統括するアヤックス・ジア氏は「ポーランドは大きな成長

ユーロ圏貿易収支が2カ月連続黒字、エネルギー輸入減で

EU統計局ユーロスタットが16日に発表した3月の貿易収支(速報値、季節調整前)統計によると、ユーロ圏の収支は256億ユーロの黒字となった。黒字となるのは2カ月連続。エネルギー輸入額が減ったことで改善が進んでいる。(表参照

EUと英の金融規制協力、欧州委が覚書の草案採択

欧州委員会は17日、EUと英国の金融サービスに対する規制での協力強化に向けた覚書(MOU)の草案を採択したと発表した。金融規制での協力を協議する共同金融規制フォーラム」の設置を柱とする内容。加盟国の承認を経て正式調印する

VWがロシア事業から撤退、現地企業に工場など売却

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は19日、ロシア事業を現地ディーラー、アビロンに売却する手続きが完了したと発表した。VWはロシアのウクライナ侵攻を受けて露事業を停止していた。今回の取引により同国事業から完全撤退す

ボーダフォンが人員を大幅削減、業績低迷で

英通信大手のボーダフォンは16日、向こう3年間で従業員1万1,000人を削減すると発表した。業績低迷を受けたもので、削減は全世界の従業員の約12%に相当する規模となる。 人員削減は4月に就任したマルゲリータ・デラ・バレ最

4月のユーロ圏インフレ率、確定値も7%

EU統計局ユーロスタットが17日に発表した4月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は速報値と同じ前年同月比7.0%となり、前月の6.9%を0.1ポイント上回った。インフレ率の拡大は6カ月ぶり。(表参照

ノキアンタイヤがルーマニア工場着工、ロシア撤退の穴埋め

フィンランドのタイヤ大手ノキアンタイヤは11日、ルーマニア北西部のオラデアで乗用車タイヤ工場の起工式を行った。欧州で新たな生産能力を整備する計画の一環。2024年後半に稼働を開始し、翌年から量産体制に入る。雇用規模は約5

車載電池ノースボルト、独工場を米工場と同時並行で建設

スウェーデンのスタートアップ企業ノースボルトがドイツ北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン(SH)州ハイデに車載リチウムイオン電池セルの巨大工場(ギガファクトリー)を設置するプロジェクトは、ほぼ計画通りのタイムスケジュール

格安航空ライアンエアー、ボーイングに300機発注

アイルランドに本拠を置く欧州最大手の格安航空会社(LCC)ライアンエアーは9日、米ボーイングから最大300機の「737MAX-10」を調達する契約を結んだと発表した。コロナ禍収束で旅行需要が増大する中、大型契約で旅客輸送

EUの弾薬増産法案、欧州議会が早期可決へ

欧州議会は9日の本会議で、ロシアとの戦闘が長期化し、弾薬不足に陥っているウクライナを支援するため、EU域内の弾薬、ミサイル生産を増強し、同国に供給する法案の早期成立を図る決議案を採択した。緊急時の手続きを適用して審議を迅

タムラ製作所がルーマニアに工場設置、モジュール製品を生産

タムラ製作所は8日、ルーマニアに生産拠点を設置すると発表した。電子部品事業を強化し、欧州市場で拡大する充電器などモジュール製品の需要を取り込む意向だ。投資額は明らかにされていない。 昨年12月に設立した完全子会社「タムラ

グーグルがチェコの大学と提携、虚偽情報への対応で

米グーグルは11日、チェコのカレル大学付設で、虚偽情報の流布などの情報障害を監視・研究する中央ヨーロッパデジタルメディア観測所(CEDMO)と協力協定を結んだ。中欧地域のオンライン空間における偽情報、とりわけウクライナ戦

台湾の輝能科技、EV向け電池の大型工場を仏に開設

全固体電池の開発を手がける台湾の輝能科技(プロロジウム・テクノロジー)は11日、仏北部のダンケルクに電気自動車(EV)向け電池の大型工場を開設すると発表した。52億ユーロを投じて工場を建設する。同社が海外に生産拠点を置く

英政府がEU法失効めぐる方針撤回、半数以上が適用継続へ

英政府は10日、同国がEUを離脱してからも国内で適用されている全てのEU法を年内に失効させる法案を修正すると発表した。法の安定などを重視し、従来の方針を撤回。半数以上を残す。 英国ではトラス政権時の2022年9月に、約4

浜松ホトニクスのレーザー企業買収、デンマーク政府が却下

光関連の電子部品、電子機器の製造・販売を手がける浜松ホトニクス(本社:静岡県浜松市)は8日、欧州子会社がデンマークのレーザー装置メーカー、NKTフォトニクスを買収する計画について、同国政府に承認を却下されたと発表した。国

UBS、クレディスイスのケルナーCEOを取締役に起用

スイス金融最大手UBSは9日、救済買収する同業クレディ・スイスのウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)を取締役に起用すると発表した。統合手続き完了と同時に、取締役に就任する。 UBSは声明で、ケルナー氏の取締役に就

ポルシェ、イスラエル企業と自動運転で提携

独フォルクスワーゲン(VW)の高級スポーツ車子会社ポルシェは9日、自動運転技術の有力企業であるイスラエルのモービルアイと戦略提携すると発表した。VWの小型商用車ブランド「VWヌッツファールツォイゲ(VWN)」もモービルア

独SAPやシーメンスなど、「データ法案」見直し要求

産業データを企業間や官民間で広く共有し、有効活用するためのルールを定めた「データ法案」をめぐり、欧州産業界から企業の機密情報を危険にさらす恐れがあり、競争力の低下を招きかねないといった批判の声が上がっている。欧州メディア

ボッシュ、水素エンジン車を共同開発

自動車部品大手の独ボッシュは10日、レーシングカーの設計・製造を手がける仏リジェ・オートモーティブと提携したと発表した。水素エンジン搭載の高性能車両を共同開発。6月に開催されるル・マン24時間レースでデモカーを公開する予

中国EVEエナジー、ハンガリーに電池工場を設置

中国のリチウムイオン電池大手EVEエナジー(恵州億緯鋰能)が、ハンガリー北西部のデブレツェンに工場を設置する。Eモビリティ専門サイト「エレクトライブ」が10日、同国のシーヤールト外務貿易相の発表として伝えた。電気自動車(

独政府のルフトハンザ救済策、一般裁が欧州委の承認を無効化

EU司法裁判所の一般裁判所は10日、新型コロナウイルス禍で経営が悪化した独航空大手ルフトハンザに対するドイツ政府の救済策を承認した欧州委員会の決定を無効とする判断を示した。欧州委はルフトハンザの資金調達力を過小評価するな