トルコが欧州からの直接投資拡大に動き出した。ザフェル・チャーラヤン経済相は先ごろ、新たな投資誘致策の宣伝のためオーストリアを訪問した。今後、欧州各国で同様の訪問を計画している。新誘致策は付加価値税や輸出関税などの控除・減額、低金利融資、雇用保険の公的助成など広範な分野におよび、トルコとして過去最大規模となるもようだ。
\トルコ政府は今年5月、国内外の企業の投資を奨励するため、新誘致策の導入を決めた。従来の措置では経済低開発地域への投資援助が主目的だったが、新スキームでは現地生産を強化し輸入依存度を下げることに重点が置かれる。現在、貿易赤字の要因となっているエネルギー、鉱山、自動車、観光といった産業分野を特に支援するとともに、半加工品の輸入依存度が高い製造業の競争力を高めることを目指す。
\今年1-7月のトルコへの外国直接投資(FDI)は89億米ドルに上った。このうち欧州が77.4%を占め、英国が19億6,000万米ドル、オーストリアが14億2,000万米ドル、オランダが8,000万米ドルで上位につける。トルコ政府は建国100周年となる2023年までに世界の経済大国上位10位入りするなど、意欲的な成長戦略を打ち出している。
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