チェコのネチャス首相とスロバキアのフィツォ首相は10月29日、チェコのウヘルスケー・フラジシュチェで会談し、原子力発電の分野で協力を深めるとともに、欧州連合(EU)で原発利用の権利を訴えていくことで合意した。
\ネチャス首相は会談後、チェコとスロバキアが持つ産業発展のポテンシャルを引き出すためには電力の安定供給が欠かせないと指摘。「原子力エネルギープログラムを継続することは両国にとって共通の利益であり、国家利益でもある」と述べ、原発の必要性を強調した。EUでは福島第一原発の事故を受け、一部加盟国では原発を廃止する動きも出ているが、フィツォ首相は「国家はそれぞれ独自のエネルギーミックスを決める権利を持っている。我が国にとって原発なしのエネルギー安全保障は考えられない」として原発を放棄する考えはないことを明らかにした。
\フィツォ首相はまた、スロバキア国鉄(ZSSK)とチェコ国鉄(CD)の貨物輸送部門の合併に前向きな姿勢を示した。チェコ政府は2007年からCDの貨物輸送部門であるCDカーゴのパートナーを模索しており、ZSSKの貨物輸送部門ZSSKカーゴのほか、ポーランドのPKPカーゴにも強い関心を示している。フィツォ首相は、「ZSSKカーゴの民営化は望んでいないが、合弁先を探しているところだ」と語った。
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