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2019/1/30

総合・マクロ

米国、ルサールなどロシア3社への制裁を解除

この記事の要約

米財務省は27日、世界アルミ2位の露ルサールと親会社Enプラス、姉妹会社ユーロシブエネルゴに対する制裁を解除した。プーチン大統領と親交が深いとされるデリパスカ氏が3社の株式を売却して経営権を手放したことや、3社が透明性を […]

米財務省は27日、世界アルミ2位の露ルサールと親会社Enプラス、姉妹会社ユーロシブエネルゴに対する制裁を解除した。プーチン大統領と親交が深いとされるデリパスカ氏が3社の株式を売却して経営権を手放したことや、3社が透明性を高めることを約束したのを受けたものだ。制裁解除には野党・民主党が反対しており、ロシア政府による2016年大統領選への介入疑惑を含め、議論が激化する可能性がある。なお、デリパスカ氏個人は、引き続き制裁の対象となる。

デリパスカ氏が経営権を握ってきた持ち株会社Enプラスとその子会社であるルサール、ユーロシブエネルゴは昨年4月、米国の対ロシア追加制裁で同氏が制裁対象に加えられたのを受けて、同氏の出資比率を50%未満に引き下げ、取締役の半数を新たに迎える独立取締役とする方針を打ち出した。財務省はこの計画が制裁解除の条件を満たすかどうかを審査・検討するため、制裁実施を延期していた。

制裁解除に反対する議員からは、同氏の3社に対する影響力が実際に弱まるのかという疑念や、モラー特別検査官がロシア介入疑惑を調査している最中に解除するのが不適切という声が上がっている。

一方で解除派は、中国・宏橋集団に次ぐ世界アルミ2位のルサールに対する制裁が、アルミ相場へ与える影響に配慮したもようだ。

制裁解除の報を受けて、香港商取引で取引されているルサール株は28日、9%値上がりし、昨年4月以来の最高値をつけた。また、ロンドン金属取引所(LME)におけるアルミ価格も取引開始直後に1.4%値下がりした。同価格は制裁が発表された昨年4月に供給不安が広がり、一時、7年ぶりの高値をつけていた。

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