国内16州の代表で構成される連邦参議院(上院)は23日、二酸化炭素(CO2)の分離・貯蔵(CCS)技術の導入に向けた連邦政府案を否決した。CO2の地下貯蔵に対する市民の批判が強く多くの州が反対に回ったためで、連邦政府が法案を成立させるには両院協議会を設置して妥協点を探る以外に手段がなくなった。同法案は欧州連合(EU)指令を国内法に転換するもので、成立しない場合は制裁手続きが発動される恐れがある。
\同法案はCO2を半永久的に安全貯蔵する技術を確立しCCS技術の利用に道を開くことを狙ったもので、連邦議会(下院)では7月に可決された。
\ドイツは石炭発電への依存度が高く、政府は今後も同発電を利用したい考え。原発廃止を最終決定したことでそうした判断は強まっている。
\ただ、石炭発電はCO2を大量に放出するため、CCS技術を導入しないと、CO2排出権コストが大幅に上昇。経済的に採算が合わなくなるという事情がある。
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