コンピューター制御の完全自律走行車が17日、ベルリン市街地での公道走行試験に成功した。「MadeInGermany」と名付けられた同自動車を開発したのはベルリン自由大学のラウル・ロハス教授を中心とするプロジェクトチーム「AutoNOMOS」で、ブランデンブルク門~国際会議センターの約20キロメートルの区間を2往復、計80キロメートルを無事に走り通した。
\MadeInGermanyはフォルクスワーゲン(VW)の「パサートヴァリアント3C」を自律走行車に改造したもの。車の前後に取り付けられた6つのレーザースキャナーが障害物(周辺の自動車や歩行者)を検知するとともに、パルスレーザー光を発信してその反射時間から対象物までの距離を測定する。さらに、ルーフに取り付けられた回転レーザーから得られたデータと重ね合わせることで、障害物の位置関係や動きを3次元で認識できる。
\バックミラーの裏側に取り付けられた白黒ビデオカメラは車線や道路境界線を、2台のカラービデオカメラは信号の色と状態を検知する。また、自動車の位置検出には高精度GPSとシステムに搭載された市街地図データを利用する。制限速度や優先道路といった道路交通法の規則はプログラムしてシステムに組み込んだ。
\同車は今年6月、公道走行の特別許可を取得。8月には市街地走行に先立ち高速道路での試験走行が行われた。ただ、安全上の理由から無人での走行は認められず、運転席に“監視役”が座ることが義務づけられている。
\試験走行区間には46の信号交差点と2つのロータリー交差点がある。初の市街地走行だったため、試験は土曜の朝6時~9時という交通量の少ない時間帯を選んで行われたが、停車・発車、車線変更も問題なくクリアできたという。
\AutoNOMOSは連邦教育研究省(BMBF)から資金援助を受けている。
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