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2011/9/28

経済産業情報

独生保市場、10年後には10%縮小

この記事の要約

ドイツの生命保険業界が市場構造の変化への対応を迫られている。少子化による若年層の減少に伴い被保険者の絶対数が減っているためで、各年齢層の保険契約状況が現在と同じように推移すると、新規契約の保険料収入は2010年の1,57 […]

ドイツの生命保険業界が市場構造の変化への対応を迫られている。少子化による若年層の減少に伴い被保険者の絶対数が減っているためで、各年齢層の保険契約状況が現在と同じように推移すると、新規契約の保険料収入は2010年の1,574億ユーロから2020年には10%減の1,417億ユーロへと縮小する見通しだ。競合する金融サービスへの顧客流出を食い止めるためにも、経営努力が求められる。金融機関向けコンサルタント会社ZEBが22日発表した業界動向調査レポートで明らかにした。

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独生保業界はこの10年間、◇02年導入のリースター年金(国家助成付き個人年金)◇05年導入のリュールップ年金(主に富裕な自営業者向けの国家助成付き個人年金)◇金融・経済危機をきっかけにした掛け金一括払い式保険需要の急増――など、一過的なブームに支えられて成長を確保してきた。今後は若者世代の減少を受けて保険料収入の減少減が避けられないうえ、欧州連合(EU)で13年に導入される新たな保険業規制(ソルベンシーII)に伴う自己資本ルールの厳格化で運用益が減少し、生保商品の魅力が低下する恐れがある。就業不能保険や任意介護保険などへの加入が今後、増加したとしても、生保・個人年金保険の減少分を相殺できないとしいう。

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ZEBは成長が期待できる分野として中高年層の保険満期の預け替え需要を指摘する。また、公的年金の支給額減少は個人保険の需要増につながる可能性があるという。

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