ドイツポストは20日、ドイツ人の主観的生活満足度(幸福度)に関する調査報告書を発表した。それによると、ドイツ人全体の幸福度は0を最低、10を最高とする指数で7.0をマークし、2001年と同じ水準まで回復した。西部ドイツ地域の幸福度は7.1、東部ドイツ地域は6.8と、西高東低の傾向は依然としてあるものの、その差は0.3ポイントと、ドイツ統一(1990年)以降で最小となった。
\調査はフライブルク大学のベルント・ラッフェルヒュッシェン教授(財政学)とアレンスバッハ世論研究所(IfD)のレナーテ・ケッヒャー所長がドイツポストの委託を受けて実施。ドイツ経済研究所(DIW)が作成する「社会経済パネル(SOEP)」のデータと、IfDがドイツ人1,800人を対象に今春実施したアンケート調査の結果に基づき、ドイツ人の幸福度に影響を与える指標を抽出・分析したうえで数値化した。
\この結果、幸福度にプラスの作用を与えるのは◇良好な健康状態◇配偶者・パートナーを持つこと◇友人・知人との交流◇スポーツをすること◇持ち家◇職業での自主決定権(独立自営・責任のあるポジションなど)◇昇給◇余暇活動の充実◇文化的イベントの充実――といった項目で、逆にマイナスの影響を与えるのは◇健康状態の悪さ◇パートナーとの死別◇失業◇社会・文化的な孤立(友人・知人との交流の少なさ、文化イベントの少なさなど)◇離婚・パートナー関係の解消◇加齢◇身体的な障害◇減収――などだった。
\幸福度に特に大きな影響を与えるのは仕事の有無で、就業者の幸福度が平均で7.1だったにの対し、失業者は4.7にとどまった。将来への不安や、自由に使える金銭の減少で不便を強いられることなどが満足度を引き下げる主因となっている。
\幸福度が最も高かった地域はハンブルク州で7.38に達した。住民1人当たりの購買力の高さと、健康状態が非常に良好な人が多いことで満足度が押し上げられた。また、時間に追われてストレスを感じている人が少ないこともプラスに作用した。幸福度が最も低いのはチューリンゲン州で6.45。失業率の高さと低収入が足を引っ張った。
\東部ドイツは概して満足度が低かった。唯一の例外はザクセン州で、満足度は6.79と西部のヘッセン州(6.77)を上回った。
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