2010/3/29

総合 –EUウオッチャー

ECBが国債担保基準の厳格化見送り、財政危機のギリシャを支援

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は25日、ユーロ圏の金融機関に資金供給する際に受け入れる担保について、基準の厳格化を見送る意向を表明した。財政危機に苦しむギリシャを支援するもので、引き続きギリシャ国債を担保として受け […]

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は25日、ユーロ圏の金融機関に資金供給する際に受け入れる担保について、基準の厳格化を見送る意向を表明した。財政危機に苦しむギリシャを支援するもので、引き続きギリシャ国債を担保として受け入れるようにする。

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ECBはリーマンショックを機に金融危機が広がった2008年10月、金融機関が資金供給を受ける際に差し出す国債などの担保について、格付けが「Aマイナス」以上であることを適格とする条件を緩和し、「BBBマイナス」以上でも担保として受け入れる措置を導入。トリシェ総裁は1月の記者会見で、「出口戦略」の一環として、今年末に適格基準を厳格化する方針を示した。金融危機で国際の格付けが下がっているギリシャが困るとの指摘に対しては「ギリシャを特別扱いはしない」と突っぱねていた。

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しかし、同総裁は欧州議会で、「ECB理事会は2010年末以降も現在の基準を維持するつもりだ」と述べ、方針を転換した。ギリシャ国債を保有するギリシャなどの銀行の資金調達を支えるともに、金融市場の不安を鎮めてギリシャ国債の利回り拡大を抑え、政府が資金調達しやすいようにする狙いがあるとみられる。詳細は4月8日の定例政策理事会で決定する。

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ギリシャ国債の現在の格付けは、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスが「BBBプラス」。

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