2010/3/29

競争法

仏2社によるアレバ子会社の分割買収を承認

この記事の要約

欧州委員会は26日、仏エンジニアリング大手アルストムと仏シュナイダー・エレクトリックが、仏原子力大手アレバの子会社で送配電用機器の製造を手がけるアレバT&Dホールディングを分割買収する計画を承認した。競争を大き […]

欧州委員会は26日、仏エンジニアリング大手アルストムと仏シュナイダー・エレクトリックが、仏原子力大手アレバの子会社で送配電用機器の製造を手がけるアレバT&Dホールディングを分割買収する計画を承認した。競争を大きく阻害する懸念はないため。

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アルストムとシュナイダーは共同でアレバT&Dを40億9,000万ユーロで買収することで合意。アルストムは高圧の送電関連事業と中電圧の配電関連事業の一部を、シュナイダーは配電関連事業をそれぞれ取得する。取引はこの春に完了する予定で、その後1年以内に事業が譲渡される。

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欧州委の調査の結果、アルストムの場合には重複する事業はないものの関連市場で事業を展開していることから垂直関係が生じることが分かった。特に欧州委はアルストムのガス・蒸気発電、水力発電向け及び鉄道運輸向けの設備との関係を調べたが、EU内でも世界でも数多くの競合企業との競争に直面することが判明。主要な競合企業も高圧や中電圧向けに多様な製品を供給しており、アルストムとアレバT&Dの市場シェアも大部分の市場で支配的とはならないことを確認した。

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一方、シュナイダーの場合には両社の事業はサーキットブレーカーや配電開閉装置、配電変圧器のほか市場の複数の分野でも事業が重複していた。しかし製品全般を供給できる競合企業との厳しい競争にさらされるうえ、顧客の側も購買力を持つ大手企業のため今回の取引に競争上の問題はないと判断した。

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